前回の記事では、ホームページ単独ではなく部署横断的な視点を持ち、感覚ではなく数字に基づき改善していく、というポイントをお伝えしました。
今回は、新宿区ホームページの具体的な数字を見ていただきながら、アクセス解析についてお話ししたいと思います。
まず必要になるのは、アクセス解析のツールです。
Google Analyticsだけは入れましょう!
Google アナリティクス公式サイト – ウェブ解析とレポート機能 – Google アナリティクス
Google Analyticsを導入することで、ユーザー数やページビュー数、見られているページ、検索キーワードなど、様々なデータを取得することができます。
もしHTMLが多少読める方であれば、Webサイトのソースコードを確認してみてください。
表示されたソースコードで、「google」と検索すればGoogle Analyticsのタグらしきものが埋め込まれていることがわかると思います。
さて、比較的新しいホームページの場合はGoogle Analyitcsが入っていますし、数字の確認をしている自治体は多いと思います。
しかし、部署にWebマーケティングの専門家が不在でノウハウが蓄積されていない場合、PVを把握する程度で、解析はストップしてしまいます。
ここからは、2016年1月の新宿区ホームページに関して、アクセス解析を実施した結果の一部を見ていきましょう。
流入経路は、全体の8割が検索エンジンです。
Googleから219,862、次にYahooから156,470のアクセスがあります。
一方で、SNSからの流入は、Facebookは473、Twitterは411で、驚くほど少ない結果となっています。
SNSは戦略次第では低コストで高い効果を発揮することができるため、コンテンツの改善や広告出稿など今後は効果的な施策を検討していくべきです。
次に、検索エンジン経由の流入に関して。
どのようなキーワードでホームページにやってきているのか、検索ボリュームと検索割合を見てみます。
キーワード検索流入の5位が保育園6,810(2%)、4位がマイナンバー10,302(3%)、3位は給与支払報告書17,466(5%)という結果になりました。
実はこれらのコンテンツは、季節的に多くなるものです。
3位の「給与支払報告書」はあまり耳慣れないと思います。
ここまでアクセスが多いとは、解析をするまで私も気がつきませんでした。
2位はゴミ18,429(6%)でした。
確かに私の家族も
「自治体のゴミの情報は検索している」
と言ってましたし、ニーズは高いものだと思います。
そして、1位は図書館で59,946(18%)でした。
2位の3倍と圧倒的な検索数が出ています。
つまり、検索エンジン経由の約5人に1人は図書館のことが知りたい人だということがわかります。
このように自治体のホームページを客観的に分析し、ニーズを明確にすることが必要です。
今回は議会活動としてアクセス解析の専門家をチームに加え、担当部署にも多大なご協力をいただきデータ分析を行いました。
一般の方がここまで調査することは難しいかもしれません。
そこで、PVや検索キーワードなどを把握してみたい方には、SimilarWebというサービスがオススメです。
Website Traffic & Mobile App Analytics | SimilarWeb
URLを入力するだけでおおよそのPVや検索キーワードなどの情報を見ることができます。
そして、有料プランに加入しなくても、流入経路など一部の情報が見れる非常に素晴らしいサービスです。
SmilarWebで出てくる値は正確なものではありませんが、それなりに役に立ちます。
実際に新宿区について調べてみましたが、ここでも図書館のページが見られているという結果が出ました。
他の自治体のホームページと比較できて重宝しています。
アクセス解析で明らかになった数字をもとに、具体的な改善プランを策定していきます。
続きはまた。