選挙で問題になる、住民票を移さない学生

この夏に新宿区では大きな選挙が2回もありましたが、今回の定例会では若者の政治参加、18歳選挙権について質問をさせていただきます。

少し前にこのテーマに関連するブログを書かせていただきました。
参院選新宿区18歳投票率67%で全国を16%超

そこで、「住民基本台帳では7月の時点で2,589名も18歳がいるのに、なぜ18歳の有権者が1,524名しかいないのか」というご質問をいただきました。

新宿区は外国人が多い自治体ということでその方々も一定数含まれていますが、大学入学など4月に区外から転入された方は3ヶ月の要件を満たさないため有権者としてはカウントされません。

こちらのページもご参考に。
選挙Q&A(投票) | 東京都選挙管理委員会

東京には学校が密集しているため、新宿区にも区外から転入される18歳の方はたくさんいらっしゃいます。

住民票が実家にあっても、居住実態が認められない場合は投票することができない自治体も存在するなど、様々な問題があります。

NPO法人Youth Createの原田謙介さんがブログでも指摘されているのでご参考に。
(訂正と追記あり)【一人暮らし学生と住民票問題】実態と4つの問題と検討すべき今後の対応

そういえば選挙期間中は、大学生によく声をかけてもらいましたが、
「投票したいけど、住民票は実家にあって…」
という方がたくさんいらっしゃって驚きました。

先ほどの原田さんのブログにも書かれていましたが、明るい選挙推進協会による調査から住民票を実家から移していない学生がたくさんいることがわかります。

「あなたは、現在あなたが住んでいる所に住民票を移していますか」 まず「親御さんと一緒に住んでいますか」と尋ね、一緒に住んでいないと回答し た人に「移している」、「移していない」、「わからない」の中から 1 つ選んでもらっ た。調査結果を身分別で見てみると、高校卒業後、親元を離れて進学した短大生や
大学生、大学院生等は 26.4%しか住民票を移していない。しかし、社会人になる と 71.8%が住民票を移している。高校生・高専生は 7.1%しか移していると回答し ていないが、その多くは親御さんと同居しているため、サンプル数が少ないことを 考慮する必要がある。

18歳選挙権認知度調査

もちろん自治体ごとに解釈が異なることは問題で、最終的には総務省が取りまとめる必要があります。
しかし、新宿など特に一人暮らしの学生の多いエリアでは、住民票に関する実態の把握や、学校等と連携しながら住民票を移すことが原則であること、あるいはやむをえない場合は不在者投票という制度を利用すれば住民票のある選挙区で投票できる(可能性がある)ことを周知する必要があります。

この辺の新宿区の対応に関して、次の定例会でお話させていただきたいと思います。
さて、金曜日までに原稿を提出しなければ…

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社