新潟市の外部評価は、ネット配信や財政的な削減効果

本日から3日間、自治・議会・行財政改革等特別委員会の視察です。

1日目は行財政改革、2日目は議会改革、3日目はPFIについて視察を行いますが、これまで議会で取り組んできたテーマということもあり、楽しみにしていました。

初日ということで、新潟市で行財政改革について学んできました。

新潟市は、現在都政改革でも注目を集める上山信一氏が関与していた自治体です。

そもそも、行政サービスは無料ではなく納税者の負担により成り立っています。
そのため魔法のようになんでも要望すればサービスが出てくることはありません。
時代の変化も踏まえ、納税者がいくらお金を出すか、またそれによってどれだけの社会的リターンがあるのかなど、常に改革が求められています。

そこで、新潟市では、「新潟市行政改革プラン2015」を策定し、こちらに基づき改革が行われています。

新潟市行政改革プラン2015 新潟市

行政改革といえば、人件費の削減により財政状況を改善するようなイメージがあります。

しかし、新潟市では質に関しても大切に考えているとのことでした。
重点改革項目として、行政経営品質の向上、市民、民間とのパートナーシップ、持続可能な財政運営が掲げられています。
重点指標として市民満足度、業務・事務改善、職員満足度、定員適正化、プライマリーバランス、市債残高、年度末における未収金金額が列挙されています。

新潟市では工程表を作成し、各課で進捗を管理することで、着実に改革が進んでいます。

一通りのレクチャーをしていただき、行財政改革に関して私からもいくつか質問をさせていただきました。

先ほどご紹介させていただいた新潟市行革プラン2015の中に、
「外部評価をふまえた事業の見直し、内部事務の効率化・簡素化」
という改革項目があったので、より詳しくお伺いしました。

新宿区にも外部評価がありますが、内部評価の資料をもとに外部評価が行われます。
外部評価から事業が廃止されるなどのインパクトはありませんでした。

新潟市の外部評価は平成22年と平成24年の2回行われ、新宿区と同じように学識経験者や公募市民が委員となりますが、事業仕分け的な要素が強い会議となっています。

新潟市の場合も、新宿区と同じように最終的な決定をするわけではなく、議論のきっかけをつくるものであり、最終的には行政や議会が決めることになります。

平成22の外部評価委員会では大きな財政的削減効果を出したとのことでした。
具体的には、敬老祝い金、生活保護の法外援護費(法生活保護給付とは別に市単独給付をしている費用)、公衆浴場の補助金などについて、廃止や削減をすべきだという意見が出たことで、財政的な削減効果を出しています。

一方で平成24年には、防犯灯をLEDにするニーズが増えているということが議論をされ逆に予算が増えています。
外部評価はいわゆる事業仕分けではありますが、削減するだけでなく増額する場合もあります。

また、非常におもしろいのが外部評価をネット配信で公開しているという点です。
平成22年には新潟ソーシャルメディアクラブという市民団体から提案があり、なんと無料で配信が実現したとのことでした!

新潟ソーシャルメディアクラブ

Video Production Services

市民の協力により無料で配信される場合であっても、利害関係者がいたり職員の答弁も映像として出てしまうため、抵抗がある方もいらっしゃいます。
しかし、情報公開を推進しネット配信を導入した結果、平成24年にも新潟ソーシャルメディアクラブによる外部評価のネット配信が行われることにもつながっています。

会議の回数など新宿区の外部評価とも異なる部分はありますが、大変勉強になりました。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社