「まず」議会改革から。議員間討議で意見が変わることも

視察の二日目は新潟県上越市へ。

上越市議会は早稲田大学マニフェスト研究所による議会改革度調査2015で全国4位となり、大変改革が進んでいる議会としても全国から注目を集めています。
本日も新宿区議会の前に別の議会が視察をされていました。

時代の変化とともに議会の仕組みの中でも古くなってしまい、必ずしも効率的ではない部分もでてきます。
そうなると、議員が頑張って仕事をしても、結果を出すことができなくなってしまいます。
そのため、常に議会とは改革するもので、機能強化に取り組んでいく必要があります。

親戚や友人に議員がいるなどの状況でなければ、一般の方は地方議会の距離が遠いと感じられると思います。
より身近にしていくために、都政の影響で改めて注目されている情報公開、あるいは意見交換会、議会報告会などのイベントを運営することが必要となります。
また、他にも議会の仕事は紙で行われることが多いため、効率化するためにICT化することも、必要な議会改革の一つです。

上越市議会では、様々な議会改革が行われています。
例えば、小・中学生の議会見学、あるいは議員による学校訪問です。
「議会だより」のデザインなどを女子高生が作成したり、18歳選挙権について高校生や大学生との意見交換なども行っているようです。
市議会でFacebookページも開設されていて、これは新宿区でもやってみたいなと思いました。

より深い議論をするためには、議員間討議を実施することがこれからは求められます。
議会では行政に対して質問をすることが原則で、議員同士で議論をする機会はありません。
そのため、自然と要望合戦のようになっていくこともあります。
人口減少社会では、予算を圧縮することが大切です。
要望合戦は終わりにして、議会で合意形成を取ることが求められます。
今の新宿区議会の方式では、基本的に最初から会派で賛否が決まっているため、会議が形式的になってしまいます。

上越市の場合は議員間討議を行うことで、最初に表明していた態度と賛否が変わってしまうこともあるそうですが、これは真剣に議論をすればあり得ることです。

また、陳情・請願の場合には、新宿区議会では書類を見て審査を行います。
しかし、上越市では市民からの申し出があれば、意見陳述を行うことになります。
逆に議員の方からも陳述が必要だという意見も出ます。

そして、行政から議会へ質問する反問権もありました。

議員間討議や反問権などを通じて行政ばかりを厳しく責めるのではなく、議会が責任を背負いもっと本気で議論し、合意形成をしていく方法へ変えていく必要があります。

議会から政策を提言していくことも必要です。

こうした改革の根拠となるのが議会基本条例です。

議会基本条例に関する過去の記事はこちら↓
夢の議会基本条例を作って、議員間討議、文書質問、さらに議員報酬も住民で決めちゃえ!?

視察は区政に活かすことが前提となります。
通常の視察であれば、議会で行政に対して質問をするなどアウトプットの場がありますが、議会改革について質問することは難しいものです。
近いうちに議会改革、そして議会基本条例に関する議論が今回視察を行った議会改革委員会で必要だと考えています。

本日レクチャーをいただいた上越市議会副議長は、議会基本条例が進んだ理由として、本を何冊も出すほど地方自治に関して専門的な知識を持った議員がいたことも影響していると、おっしゃっていました。
議会改革が行われるかどうかは、議会にいる人で決まります。
新宿区議会の中で、新しい視点から議会改革に関する提言を続け、議論を深められるよう頑張ります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社