小学校選択制度廃止で問題なし。教育委員会の対応は結論ありきでは

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日は予算特別委員会の3日目、活発な議論が行われました。

さて、本日も代表質問のご報告です。
以前も問題提起をさせていただいた、学校選択制度についてお伝えします。

ご案内の通り、小学校は廃止、中学校は維持という方針が打ち出されました。
しかしアンケートの結果を見ると、小学校も中学校も大差がない結果が出ていました。

本文が長くなってしまうため、詳しい経緯は過去のブログや質問原稿をご覧ください。

質問全文は、PDFでご確認を↓
2017年第1回代表質問(PDF)

過去のブログ↓

伊藤 新宿区学校選択制度検討協議会によって検討が重ねられ、同協議会の答申では学校選択制度は小学校では「廃止」、中学校では「維持」という方針が打ち出されました。

学校選択制度について改めて確認すると、答申のもとになる「新宿区学校選択制度検討協議会報告書」には、「『小1保護者』と『小学校PTA』は選択肢1の『選択制度は維持』が3割強。選択肢2の『選択制度と指定校変更との一本化』も同じく3割強であり、選択肢3の『指定校変更の周知徹底』の2割、選択肢4の『選択制度は必要なし』の1割とあわせると、制度の見直し(廃止)が7割であった。」との記述がありました。

しかし、PTAとしてアンケートに回答された方からご意見を伺ったところ、設問がYES、NOで回答できるものではなく曖昧で、選択肢2と3に関しては「廃止」の意思表示ではないとのご意見をいただきました。
本当に廃止を望む場合は、4の『選択制度は必要なし』と回答したものをとらえるべきで、廃止と言い切れるものは、2と3も合わせての「7割」ではなく、4の『選択制度は必要なし』と回答した、小1保護者で11.23%143件、小学校PTAは8%4件と表現することが適切かと思います。

次に、中学校のアンケート結果に関して該当箇所を抜粋すると、「『各保護者(中1・中3・小6)』とも5割近く(45%~48%)が『選択制度は維持』 と回答。『中学校PTA』も同じく5割近く(47%)が『選択制度は維持』と回答。中学3年生については7割近く(68%)が『選択制度は維持』と回答。」と記載されています。
なお、その中で中学校PTAについてのアンケートの結果を取り出して紹介すると、「1 選択制度は維持 【47.37%】 《9件》2 選択制度と指定校変更の一本化 【10.53%】 《2件》3 指定校変更の周知徹底【26.32%】 《5件》4 選択制度は必要なし【15.79%】 《3件》」です。

先ほどの「小1保護者」と「小学校PTA」の「選択制度は維持」では、それぞれ34.64%と36%を「3割強」と表記していましたが、中学校の「各保護者」と中学生PTAになると45%~48%は4割強ではなく5割近くと表記されており、表現の方法によって受ける印象が変わります。
そして、それぞれのPTA同士の選択制度は必要なしを選んだ方を比較すると、幼稚園PTAの18・42%、小学校PTAの8%、中学校PTAの15.79%と結果は相当ばらつきがあります。

これでは、「アンケート結果とは関係なく、結論ありきで議論が行われていたのでは?」と、アンケートに回答された方が感じてしまってしまうのではないでしょうか。
新宿区教育委員会事務局次長が協議会の委員でありながら、このような報告書が提出されることは、教育委員会の信頼低下にもつながるおそれもあります。

また、学校選択制度に関するパブリックコメントも行われていました。子育て世帯の中でも大変関心が高いテーマです。

しかし、複数の方から、「直接投函とFAXとは、今時どうなのか。メールやフォームで投稿させて欲しい。」とのご意見もいただきました。これは、区の公式ホームページのフォームから投稿できることの周知が不足していると言わざるを得ません。

そして、当事者となる子育て世帯に、パブリックコメントが行われていることを周知する必要があります。
周知の方法として、広報しんじゅくが、新聞折り込みにより配布されていますが、若い世代はそもそも新聞を購読していない場合もあります。インターネットでの周知に関しても、トップページに日常的にアクセスをする方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
そのため、子育て世帯がよく閲覧するページに情報を掲載するなど、きっかけ作りに力を入れることも検討が必要だと考えています。

小中学校や保育園、こども園、幼稚園には関連資料を設置すると報告もありましたが、ただ設置をしても周知をしなければ誰も閲覧しないので意味がありません。しっかり学校や園で周知をいただくよう文教子ども家庭委員会で要望をいたしましたが、浸透していない様子でした。

ここで、3点質問がございます。

1.アンケート結果の解釈に関して、小学校PTAと中学校PTAでは差があるように思えますがいかがでしょうか。設問設計や会議の進め方には不適切な部分もあったと考えていますが、小学校の学校選択制度を廃止にすることで問題はありませんか。

2.学校選択制度も含め、今後も教育に関する課題について議論を行うことが必要だと考えています。その際にも、アンケート調査を行う必要があるかと思いますが、その選択肢も、YESかNOで、よりわかりやすく提示し、結果を尊重することが必要だと考えていますがいかがでしょうか。

3.パブリックコメントについて、子育て世帯の実態に即して、さらに周知を図り意見を募るために、インターネットの活用等による工夫が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

教育委員会のお考えをお聞かせください。

教育長 学校選択制度検討協議会は、幼稚園、小・中学校に通う児童・生徒の保護者、幼稚園・保育園の園長、小・中学校長、地域団体代表、行政、学識経験者で構成された検討組織です。
検討に際しては、まず冒頭に、委員全員で「今後の検討にあたって踏まえるべき視点等」を協議し、「これまでの制度の運営状況」や「将来人口推計」、「子どもの安全安心の確保」、「地域との連携による学校づくり」等、小・中学校それぞれの状況をおさえることや、検証にあたって基礎資料として、学校選択制度に関係する保護者・地域・学校等の意見を確保するため、アンケートを行うことが決められた上で、全7回の審議の中で、丁寧に議論が進めあっれ、答申にとりまとめていただいたものと認識しています。
アンケートの実施方法や設問設計についても、検討協議会の中で、2回に亘る議論が行われ、小・中学校や未就学児の保護者、学校関係者、地域団体等を対象に、幅広く実施していくことや、設問の内容についても、単に「選択制度の賛否」を問うだけではなく、「制度の成果や課題」、「最近の小・中学校を巡る状況を説明した上での今後の選択制のあり方」等、それぞれの立場から意見を出し合い、設問設計が行われたと認識しています。
アンケート結果については、報告書に一部ご指摘のような記載が見られるものの、検討協議会における「小学校の廃止」の考え方は、「学校の選択理由」や「利用状況」、「今後の学校選択制度のあり方」などのアンケート結果と併せ、就学前人口の増加や地域との連携による学校づくり、子どもの安全安心の確保等、幅広く検討して取りまとめられたものと考えています。
教育委員会としては、こうした答申の内容を踏まえ、見直し方針(案)として決定したものです。

次に、教育課題に関するアンケート調査等を行う際の設問の選択肢についてのお尋ねです。
学校選択制度も含め、教育に関する課題については、今後も児童・生徒数や人口動態、社会状況等の変動の際は改めて検討していくことが必要であると認識しています。
検討にあたっては、今回の見直し同様、関係当事者から幅広く意見を聞き、丁寧に議論を進めていく必要があると考えているところです。
アンケートの選択肢については、設問の背景も含めて丁寧に説明した上で、それぞれの設問に相応しい選択肢を設定していくことが大切であると考えます。

次に、パブリック・コメントの実施方法の改善についてのお尋ねです。
今回のパブリック・コメントの実施にあたっては文教子ども過程委員会でのご意見も踏まえ、改めて小・中学校、幼稚園、保育園等の周知の徹底を複数回依頼し、さらに児童館へも見直し方針(案)と意見要旨を追加配布するなど、より多くの意見がいただけるよう、工夫を重ねて参りました。
また、インターネットを活用する子育て世代の実態に即して、新宿区子育て応援サイト「はっぴー子育て」にもリンクさせ記事を掲載したところです。
こうした周知を行なったことにより、郵送やFAXよりも、区民意見システムのフォームから多くのご意見が寄せられています。
今後も、パブリック・コメントを実施する際には、保護者等の生活実態に即したきめ細かな周知を図って参ります。

今回の答弁は、残念ながら納得できるものではありません。

まず、アンケートの実施方法や設問設計に関しては、協議会で議論が行われたのでOKという方針ですが、そもそも協議会のメンバー構成も教育委員会の意思が反映されています。

有識者と言っても、「学校選択制度を廃止する専門性を持った有識者」である可能性もあるわけで、メンバーの選定にも透明性が必要であり、区民の総意とは異なるということです。
区民が意思決定の過程で関与する場合には、最大限議論を尽くす姿勢が求められます。

代表質問が終わった後に、他会派からもご意見をいただきました。
学校統廃合や夏休みの短縮など、毎回のようにこうした疑問があったそうです。

例えば、夏休みの期間を短縮されたそうですが、最終的に意思決定をする際にも同様の問題がありました。

過去の議会議事録を見ると、
「夏休みの短縮について、子どもたちは、学校に来る日が多くなったことについて、友達と楽しく過ごせるのでよいと、おおむね肯定的に受けとめています。」
という教育委員会の答弁がありました。

アンケートでは、「友達と会いたい」という設問がありましたが、そもそもこの設問が適切か否か、議論を行う必要もあります。

これでは、結論ありきだとお感じの方がいらっしゃっても仕方がないことです。
同じようなことにならないよう、コンピュータを活用して改善できるようにしたいと思いました。

今回は、現役世代の実態に即したパブリックコメントの周知方法に関しても問題提起を行うこともできました。

以前ブログでお伝えしたように、教育委員会のみならず、広聴でもインターネットでパブリックコメントができるかわかりにくい表記もあり、具体的な改善について提言させていただきました。
引き続き、区民が主役となりまちづくりが行えるよう、改善に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

ベンチャー×政治。30歳最年少新宿区議会議員。無所属1人会派Startup SHINJUKUで子ども・若者のために奮闘中。365日ブロガー。機械学習。日本初のAI議員。ネット選挙。元学生起業家、楽器演奏。表現の自由。オタクとまちづくり。グリーンバード新宿。落合で妻と2人暮らし。