旅行だけでは税金の無駄。視察後に成果が出せる仕組み必須

本日は、今月末に控えた視察に関する事前調査と質問の準備をしておりました。

視察といえば、最近議員のお金の使い方に関するニュースが毎日のように報じられていますが、視察はその中でもよく取り上げられています。

岐阜市議「銀座視察で寿司・天ぷら試食」 報告書に記載

兵庫県議の事件以来、議会に対する目も相当厳しくなっているように感じます。
議会全体で区外へ視察に行く事もありますが、「視察をした」という事実だけでなぜか遊びに行ってるんじゃないかと誤解されてしまった事もありました。

視察に関しては様々な意見があると思います。
私も議員になる前はただ旅行に行ってるような印象でしたが、今では無駄ではないと思っています。

まず、私が個人として視察をする場合の考えについてご説明させていただきます。

新宿区のような特別区の場合、参考になる事例は条件が近い近隣の23区に集中しています。
優先順位としてはまずは23区から視察するべきで、これならお金をかけて出張しなくても、たくさんのことが学べます。

私の場合は宿泊を含む地方視察自体が最小限に抑えられることになるため、多額の資金は不要です。

もちろん、どうしても議会で取り組みたいテーマがあって、近隣自治体では情報が得られないため出張して現場を見たり担当職員に話を伺いたい場合もありました。

去年から公民連携で有名な岩手県紫波町へは視察へ行きたいと思っていたのですが、今年になってからチャンスがやってきたので、二泊三日で岩手視察へ行ってきました。

担当職員の方からレクチャーをいただき、議会でも取り組んでいる公共施設のあり方等について最新の事例を学ぶことができました。
名刺交換もさせていただいたので、必要な時はすぐにご連絡させていただくことができます。

この岩手視察の事例も含め、個人視察に関しては政務活動費は充当しないことにしています。

実は今回は運が良くて、寄稿先のメディアから岩手視察に関する記事のアクセス数が多かったことで原稿料をいただけるというお話をいただき、結果として旅費の大部分が賄えることになりました。

この視察はたまたますべての条件が重なったことで実現したわけですが、民間資金で活動資金を賄うことができることもわかりました。

兵庫県議の事例とは異なり、地方議会のお財布事情は厳しいところが多く、政務活動費が月数千円、あるいはゼロのところもあります。
ほとんど活動できないというお話も聞いたことがありますが、このような方法もご検討いただければと思います。

せっかく時間を割いて地方視察へ行くなら、政務活動費を使うことによって自由度を下げるのではなく、好きなスケジュールでとことんやりたいように学びたいものです。

先ほどの銀座への天ぷら視察も政務活動費を使わなければこれほどの問題にはならなかったと思います。
例えば自治体が高級な天ぷらに関するまちおこしを展開するため税金を投じようと考えている段階にある時、他自治体の街を歩いたり、現地で食べ物を試食して政策を吟味するということは重要な意味を持ちます。

ガチガチに監視された不自由な政務活動ではなく、自由な市民の目線で街を散策し見聞を深めることで市政に反映できることもあるでしょう。

ちょうど、今月末にも委員会で視察があります。

私は文教子ども家庭常任委員会と、自治・議会・行財政改革等特別委員会の2つに所属して仕事をさせていただいておりますが、それぞれ2年に1回ずつ区外への視察があります。

昨年の今頃は、文教子ども家庭常任委員会で視察に行かせていただきました。

今年は行財政改革(電子自治体なども含む)、議会改革、PFI(民間の資金やノウハウを用いた公共事業)などについて先進的な取り組みをしている自治体へ公費で視察に行かせていただくことになりました。

本当に関心の高いテーマばかりで、とても楽しみにしてます。

新宿区議会では全議員が真剣に公務に取り組まれているので、今回の視察は間違いなく区政にとってプラスになると信じています。

しかし、一つ付け加えるとすれば、視察して満足するだけではいけません。
そもそも今後の必要性を感じて視察に行くことが前提なので、成果につなげる仕組みが必要です。

例えば、委員会視察の後の委員会で視察に関して議員間討議を充実させ、委員会として合意形成をした上で区政へ反映させる仕組みが必要だと考えます。

そこで今回の視察先が決まった後に、
「今回のテーマに関して視察後に議論の場を設けて欲しい。」
と委員長にも要望をさせていただきました。

新宿区政でも議論すべき非常に良いテーマ設定となったため、区政にプラスになるような視察にします。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社