外部評価は形式的な事業評価から区民主体の区政運営評価の場へ

本日は今年最後の特別委員会に出席し、外部評価の結果について議論を行いました。

新宿区には、外部評価と内部評価という二つの行政評価が存在し、予算編成にも影響を与えます。

まず、内部評価とは、新宿区が設定した指標に対する評価を自ら行うものです。
もちろん、自身で評価をすることも必要なことだとは思います。
一方で、形式的な評価が行われるため、新たな視点で議論が行われることにはあまり期待できません。

そこで、学識経験者や区民により外部評価が行われることになります。
自治体によっては、内部評価しか行わないところもあります。
区民の意見が反映されることは不可欠だと考え、外部評価の取り組みは先進的だと評価しています。

しかし、外部評価は内部評価の結果をさらにチェックをするものです。
以前から指摘を続けていることですが、この方法では内部評価の結果に議論が引っ張られてしまいますし、本当に十分な議論ができるのかは疑問です。

私も別の会議で区民委員をつとめさせていただいたことがありますが、議論をするテーマは行政に用意されていて、評価の方法も決まっていました。
これではまともな議論ができないということで、数名の委員が問題提起を行う結果になりましたが、議論の方法も区民を主役として決めていく必要があります。

現在の評価方法はあくまで個別の事業を評価するもので、横断的な視点は欠けてしまいます。
外部評価委員会は内部評価(事業)の間違い探しではなく、区民主体で区政運営についての評価をする会議だと再定義し改善を行う必要があります。

また、委員の年齢構成に関して質疑をさせていただきました。
ちょうど1年前にも同じ議題が委員会で議論されましたが、若い委員不在で会議が進められている状況に問題意識を感じています。
「若返りを果たした」というご答弁がありましたが、若い委員が増えたということは大きな成果でした。

若年層が対象となる事業について、年齢が高めの方、場合によってはシニア世代の方に、活発に議論をしていただくことがあります。
もちろん年齢が上がるほど知識や人生経験も豊富になり、高い政策提言能力を有しているという考え方もありますが、ICT化やグローバル化の影響もありライフスタイルが激変してきた背景を踏まえると、今を生きる若い世代の声が政策形成のためにも必要だと、訴えを続けてまいりました。

私も行政に言いっ放しで終わらないよう、外部評価委員の募集を行っていた期間には、ブログで情報発信を行うなど周知を行いました。
実際に委員に応募したいと数名からお問い合わせをいただくことになりましたが、若い世代の中にも委員会の存在を知らないだけで、本当は区政へ貢献したい気持ちがある方もいらっしゃることがよくわかりました。

最終的には、お問い合わせいただいた多くの方が、仕事との両立が難しいと判断し、断念されました。
しかし、私の力ではありませんが、結果的に平均年齢が引き下げられたことで、一定の成果につながったことは良かったと思います。

若い世代にとってのハードルは、時間帯によっては会議へ出席できないことや、委員の任期が長すぎることなどが挙げられます。
私が区民委員として会議に出席していた際には、任期は半年程度で、会議の回数も数回程度でした。
しかし、今回も2年の任期があるというご答弁をいただきましたが、長期間にわたってたくさんの会議に出席することが求められると躊躇する方もいらっしゃるでしょう。

会議の開催時間帯に関しては、若い世代の多くが夜しか出席できないことを踏まえ、配慮が必要だと提言を続けてまいりました。
外部評価委員会の各部会で夜も含めて検討を行っていただいたということで、それついてはポジティブに捉えています。

若い世代からの声が足りていないと感じていましたが、その気になれば必ず増やせるものです。
引き続き様々な機会を通じて改革に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社