新宿区駐輪場の抽選システムの詳細。今後も対策案を募集

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

先日に引き続き、本日も駐輪場のお話をさせていただきます。

過去の記事はこちら↓
駅から少し離れていも放置自転車約200台以上…自治体による対策はポイ捨て問題と重なるか

今週、ある新宿区民の方から、
「落合駅前の駐輪場の抽選に外れてしまった。一時利用もあるが、埋まっていて駐輪できなかった。駐輪できないので、駅まで毎日20〜30分ほど歩いている。」
という内容のお問い合わせをいただきました。

早速担当課に、駐輪場の状況について確認したところ、
「応募時点で超過するような状況にある。近隣の駐輪場をご紹介させていただいている。」
とのご回答をいただきました。

私は西落合に住んでおりますが、早稲田や神楽坂へ行くために東西線を利用することがあります。
自宅からは、東西線落合駅が最寄りですが、ご指摘いただいたように一時駐輪場が埋まっていたことで駐輪できず、遅刻をしそうになった経験があります。
そのため、西落合から自転車で10分ちょっとで行ける高田馬場の駐輪場を利用しています。
ただ雨の日は、私も同じく20分以上かけて徒歩で落合駅を利用しています。
これが毎日になれば、大変なことです。

まず、どのように抽選が行われているのか、改めてご説明させていただきます。

抽選は業者に委託し、コンピュータを用いた公開抽選を行っています。
ただ単にランダムに決定するのではなく、
「1.区内在住で障害者手帳等をお持ちの方、2.区外在住で障害者手帳等をお持ちの方、3.区内在住、4.区内在学、在勤、5.その他」
と対象者には五段階で優先順位が定められています。
各段階の人数が定員数より少なければ、抽選は行われません。
落合駅前の場合には、1と2の人数までは受け入れ可能でしたが、3の区民で定員を超過し、抽選になってしまったそうです。

また、昔は最寄りの駅から駐輪場までの距離が700メートル以上離れている場合には、優先度を高めるようにしていたそうです。
ただし、最寄りの駅というのは、文字通りの最寄りの駅で、路線までは配慮されませんでした。
しかし、新宿区の場合、現在では乗り換えを考慮しなければ、それほど時間をかけず近隣の駅にアクセスできるようになったことから、15年ほど前に廃止されたという経緯があります。

お問い合わせいただいた方からは、
「近隣マンションのステッカーが貼ってある自転車があり、ピーク時でも6割程度しか埋まっていない。」
とのご意見もいただいております。

駐輪場を利用される方の事情も様々で、一概に距離が近い方の受け入れを拒否することは難しいとは思いますが、空き状況の是正は必要です。
新宿区では、民営の駐輪場を設置していますが、その際、定期利用から一時利用へと切り替えを行なっています。
流動性を高めること上では効果的ですが、これまで定期利用されてきた区民のみなさまの立場も踏まえなければなりません。
様々なご意見があるため、各地域で対応すべきものではありますが、バランスを取るのは非常に難しいです。

過去のブログはこちら↓
定期か一時利用か?新宿区の公営駐輪スペースの未来はどうなる

駐輪場も公的住宅や認可保育園と同じく、同じルールで税金を支払っていても、抽選や選考により、当選した人とそうでない人で得られる利益が変わってしまいます。
区民の方へ代替案をご紹介させていただくなど、丁寧に対応を行う必要がありますが、長期的には運用の方法自体を見直さなければなりません。

まず、駐輪場を無限に設置することができれば良いのですが、駅前にもスペースが限られているため、なかなか難しいとは思います。
そうなると、民間で対応すべきですが、これまで公費の投入を行ってきた事業のため、最初から利用料が無料だったり、料金が取れても数百円と、民間市場でサービスが提供するには現実的でない低い価格が設定されしまいました。
そのため、民間企業も利益を出すことができないため、新規参入を躊躇することになります。

そこで、将来的には、区民のみなさまに対しても、広く駐輪場サービスが普及するようにご説明をさせていただいた上で、区営駐輪場も価格を上げ、原則民間市場のサービスで対応していくことが望ましいと考えます。

料金を値上げし、都市部でも増えてきた機械式地下駐輪場のシステムを導入するという選択肢もあります。
また、駐輪場にもバウチャー制度を導入し、民間サービスを利用される際に減額措置を行うことも、公平性を担保するために必要だと考えます。

近年、シェアリングエコノミーが普及してきました。
民間企業が運営する、自転車シェアリング事業が普及すれば、根本的な問題も解決するのかもしれません。
しかし、こちらも価格が安すぎるため、まだ利益が出ていない厳しい状況です。

また、民間の空きスペースを駐車場としてシェアする事業も登場しています。

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自治体が駐輪場を運営する場合であっても、これからはIoTを活用し、インターネットで駐輪場の空き状況のデータを把握することも必要です。
類似する事例として、鯖江市ではオープンデータでバスの空席情報が提供されるようになりました。

データシティ勉強会でお世話になった福野さんのブログより↓
Count of Bus Passengers Real Time Open Data in Sabae #opendata #js #sabae #english / 福野泰介の一日一創 / Create every day by Taisuke Fukuno

次の定例会で、駐輪場や自転車に関する代表質問を予定しております。
区民の皆様に自転車を快適にご利用いただけるよう、対策を考えていきたいと思います。
現実的な対応策があれば、ぜひお知恵をお貸しください。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社