こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
5月5日は、子どもの日です。
こいのぼりが飾られていたり、街も賑やかになっていました。
本日は、政治家として子どもに対する向き合い方について総合的に考えてました。
実は子どもの日にもう一つありまして、6月30日だとされています。
財務省が発表した国民負担率をもとに、元旦から何日税金を支払うために働いているかを示す目安として、6月5日を「納税者の日」と定めています。(出典:自由経済研究所)
一年間のうち、半分近くは政府にお金を支払うために仕事をしているということになりますが、このテーマに関しては、不自由な社会だと感じるか、問題ないと感じるかは人それぞれでしょう。
さらに、今年度の財政赤字も含めて全額税を負担する場合、つまり将来世代にツケをまわさないことを前提に考えると、6月30日まで税を納めるために仕事をしなければなりません。
これが子どもの日と呼ばれているのです。
当然ですが、子どもは選挙にも行ってませんし、予算に対して一度も意思表示をしていません。
望んでもいない未来の子どもの財布にまで、手を突っ込んで政治を行ってきたわけですが、果たしてこのままで良いのでしょうか。
さて、政治の現場で仕事をしている中で、残念なことに子どもが政治的に利用されているケースが非常に多いということを感じています。
ご承知の通り、ほとんどすべての政治家が「チルドレンファースト」などのキャッチフレーズを掲げています。
試しに、政治家に子どもに関する政策の優先順位を聞いてみると、とりあえず子どもが一番だと答える可能性は高いはずです。
まず、子どもは社会で育てるものだと考えていますが、その中心は現役世代です。
6月5日が「納税者の日」だということを確認させていただきましたが、現役世代が財政負担を背負い、年間の半分は政府のために仕事をしているような状況です。
これでは、経済にも影響を与え、家計も苦しくなるのは当然のことです。
経済的な理由で、結婚ができない、子どもを産み育てることが難しいという方も一定数いらっしゃるため、政治が若い世代やその子どもが夢を叶えられない原因になっている可能性を考える必要があります。
また、子どもを支援すること自体は素晴らしいことですが、政治の仕組み上、現役世代の財布に手を伸ばし、行政やその関係者たちへ最初にお金がまわっていきます。
そしてその支援の内容は果たして適切なものでしょうか。
特定の団体に支えられているために、ただ既得権を守っている場合もあります。
昨日も奨学金について少しだけ触れました。
子どもと言うよりも若者に関することではありますが、借金を背負わせて大学に通わせる制度自体に問題があります。
ICTが発展し通信制大学のように教育コストが低下している事例もありますが、広く効果のある教育政策にシフトする必要があります。
そして、グローバル化、ICT化など社会が変化を続けるなかで、学校は昔のままです。
現実社会と乖離しすぎてしまい、100年前にタイムスリップをしているような状態であることは放置できません。
公教育のあり方に関しては、選挙関係以外で一番読まれた記事にまとめています↓
日本まずいぞ…インド系インターナショナルスクールで真の教育格差を目の当たりに
保育園に関しても議論が行われていますが、0歳児一人に対して500万円ほどの公費が必要な制度が継続しています。
同じように税金を支払っても、保育園に入れた場合、入れなかった場合で得られる利益が異なります。
これは、明らかに経営感覚が欠如しているもので、行政として改革が必要です。
そもそも、子育て世帯のすべてが公務員のような仕事形態であるはずもありませんし、ライフスタイルが多様化したことを考慮し、バウチャーなど柔軟な制度への移行が必要です。
これでは、子育ての多様性が担保されるはずはありませんし、今のままで若者が輝けるのでしょうか。
過去のブログもご参考に↓
子どもの未来を見据え、任期中すべての予算増額議案に反対します
私はこんなことをひたすら訴え続けてきましたが、他にも多様な意見があるでしょうし、今よりも議論を深めることが必要です。
ただ、政治家の中には有権者の前では子育て支援等を売りにして調子の良いことだけ言って当選し、首長野党の立場(与党は行政とほぼ一体化)でありながら議会での仕事を放棄し、数ヶ月者間ほとんど発言すらしない方もいらっしゃいます。
こればかりは、日々の活動内容を見てご判断いただく他ありませんが、有権者のみなさまを騙すにも限界があるだろうと思っています。
また、主に政党が行う政治活動(PR)についても考えないといけません。
例えば、本当の問題は格差をなくすことではなく、子どもの貧困を相対的により豊かにすることであるはずですが、政局を優先し目的と手段が入れ替わって政治利用されるているような場面もあります。
これでは、問題の解決が遅れることになり、子どもを引き合いに出すべきではないと感じてしまうケースもあります。
私の政治姿勢が広く受け入れられるものではないと思いますが、党議拘束もありませんので、いち議員の立場から、多様性の一つとして、議会に取り組んでまいります。
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繰り返しになりますが、絶対に忘れてはいけないのが、子どもたちには選挙権がないということです。
そのため、大人として子どもの立場を守ることは、まず一番に考えるべきことです。
立候補する前に、納税者保護誓約書(子どもにツケをまわさない)の署名をさせていただきました。
とても大切なことで、特に私たちの世代は数十年先まで現役としての責任も感じながら生きていかなければなりません。
今がよければ問題ないということにはできません。
将来世代と力を合わせて、未来を築いていかなければなりません。
知恵をしぼることもなく、新しいことに挑戦することもしない。
税金(他人のお金)を増額し、支援を行なったことにすることは、子どもにツケをまわすダブルスタンダードの政治であり、もうおさらばするしかありません。
最後になりますが、6月30日のもう一つの子どもの日も、ぜひ覚えていただければと思います。
それでは本日はこの辺で。