また質問します!羽田新ルートで高まるテロのリスク

本日は代表質問でした。

原稿はこちらにアップロードしてあります。
平成28年 第3回定例会(スタートアップ新宿)代表質問(要旨)【一問一答】

今回は特に力を入れて羽田空港の機能強化に関する質問をさせていただきました。

過去のブログはこちら↓
都庁や防衛省の上?羽田空港機能強化でテロの脅威

以下、質問と答弁になります。

伊藤 羽田空港機能強化に関する質問です。
議会でも議論になっていますが、南風案では新宿区の上空を飛行することで、騒音や落下物などの問題が指摘されてきました。しかし、もう一つ別の観点からお話をさせていただきますと、テロのリスクをどのように考えているのかということです。
新宿区には、都庁、新宿駅、防衛省などが集中しているエリアとしてテロのターゲットになりやすく、リスクが高まるのではないかと考えられます。もちろん、空港でテロを防ぐことは必要です。しかし、国際線の場合は国によって管理は様々でしょう。さらなるリスクを軽減しておくことが必要ではないかと考えています。
例えば、モスクワ上空は飛行していません。ワシントンの場合、人が多いエリアは避け川の上を飛行しています。加えて、戦闘機F-16が即応体制、狙撃銃を搭載したヘリや地対空ミサイルで武装しているため、ある程度の対処をすることが可能です。海外でも都心部の上空を飛んでいるという見解が示されていますが、危機管理の観点を持った上でのルートを策定していると考えられ、無防備な東京都とは全く状況が異なると言えるでしょう。

ここで、6点質問がございます。
1.羽田空港での4本目の滑走路整備に伴う神奈川・都心北上ルートについては平成21年に「安全上の理由」により撤回されていますが、今回「安全上の改善」があったとお考えでしょうか。
2.「安全上の理由」で言えば、我が国はたびたびイスラム国の機関紙でアメリカよりも敵視された表現があり、近年も航空機爆破テロが起こっていますが、現在のテロの可能性や情勢についてどのように認識されていますか。
3.新ルートに関して、他の航路案はないという認識でしょうか。区のホームページでは「唯一無二ということではなく、今後、関係区市と十分な協議を行ったうえで、関係区市の意見を反映して決定」とありますが、これには新宿区案のような形で提案を行うことはないのか。代替案の調査などは行ったのでしょうか。区長の下に有識者委員会による検討、委託調査を図ることも必要だと考えますがいかがでしょうか。
4.具体的な懸念として、バードストライク、ドローンによるバードストライクテロ、航空機爆破テロが懸念されますが、これらの問題についてはどのお考えでしょうか。
5.ワシントンやモスクワ上空は飛行禁止区域が認められています。ハイジャックの場合、新宿上空での撃墜なども想定すべきかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
6.区長は南風案ルートに関して賛成、反対どのようにお考えでしょうか。

区長のお考えをお聞かせください。

吉住区長 羽田空港の機能強化に関するお尋ねです。
国は、東京2020オリンピック・パラリンピックとその先を見据え、飛行経路の見直しによる国際便の増便など、羽田空港の機能強化を検討しています。
このたび提案された機能強化の方策は、有識者による国の首都圏空港機能強化技術検討小委員会において、様々な滑走路運用・飛行経路について、安全確保や環境対策などの面から議論を重ね、中間のとりまとめを行ったものです。その後、2回にわたるオープンハウス型の説明会を通じて集約した課題に配慮しながら方策を整理しています。
このことから、区として機能強化の方策について改めて検討を行うことは考えておりません。
次に、航空テロについてです。
テロ対策は国際社会が協力して取り組むべき重要な課題であり、我が国においても保安体制の強化が必要であると認識しています。
国からは、羽田空港をはじめ世界各国の空港では機内への凶器類・爆破物の持込防止検査を徹底して実施しており、十分な対策を行っていると聞いています。
区としては、羽田空港の機能強化の必要性については理解していますが、安全対策の徹底と、区民に対する丁寧な説明を行った上で、進めていくべきものと考えています。
今後も、国に対して継続して、騒音対策や落下物対策だけでなく、テロ対策なども含めて広く安全・安心対策を進めていくよう要請していきます。

引き続きテロも含めた安全・安心対策を進めていくよう要請していくと、誠意あるご答弁をいただいたことは感謝申し上げます。
しかし、ご答弁をいただいたときには、航空機爆破テロのリスク、あるいは海外の事例を踏まえ都心上空を飛行することに関してなど、私が用意した質問に対する具体的な説明がほとんどなかった点は、少し残念に感じました。

新宿区案を策定しないということは、リスクに関して問題がないという前提があってのことだと思います。
答弁から飛行ルートの策定に関して議論が行われたというプロセスについては伝わってきますが、安全性を証明することにはなりません。

今後、新宿区は私を含めた新宿区民に納得のいく説明をするためにも、なぜ危機管理上問題ないと判断できるかについても話を詰めることが必要になってきます。

今回は本会議での代表質問という貴重な機会をいただき、テロのリスクについてお話させていただくことができました。
他会派の議員でもこの問題に関して気にかけてくださる方もいましたが、区内外問わず様々な方が情報を集め、建設的な議論をスタートするきっかけとなれば幸いです。

繰り返しになりますが、国土交通省の説明は不十分な点があります。
海外でも都心上空を飛行しているから問題ないという見解ですが、
「モスクワ上空は飛行していません。ワシントンの場合、人が多いエリアは避け川の上を飛行しています。加えて、戦闘機F-16が即応体制、狙撃銃を搭載したヘリや地対空ミサイルで武装しているため、ある程度の対処をすることが可能です。」
と代表質問でもお伝えしたように、基本的に都心上空は避けられ、仮に通過するにしても日本と海外では状況が異なります。

国からこうした説明が行われていることに対して、スルーせず新宿区としても問題提起をすべきです。

改めて次回以降の議会で質問をさせていただこうと考えていますが、今度こそ危機管理の観点から具体的にご答弁いただけるよう、別ルートの検証など私も新たな調査を頑張ります。

また、現段階で多くの区民は羽田空港の機能強化が行われるということ自体知りません。
しかし、時間の経過とともに住民説明会が行われたり、ニュースも増え地域住民に浸透し状況は変わってくる可能性はあります。

昨日のブログでも書かせていただいた韓国人学校の問題に関しても、私が議会で取り組んでいた当初はくつがえらないような雰囲気がありましたが、世論の関心が高まり加えて様々な条件が重なり私の力ではありませんが急展開となり現在は白紙になりました。
羽田空港の新ルート案に関してもこれから何が起こるかわかりませんので、国や都の動きを注視しながら区議会議員として適切な行動をしていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社