本日は「費用弁償」という制度についてご紹介します。
制度の概要を簡単にお伝えしますと、
議会の出席などの公務があると、
その都度2,500円の現金が支給されるというのがこの費用弁償です。
そして、このお金は非課税で、
丸々議員のポケットに入れることができることが特徴です。
移動時間は仕事をしている時間ではありません。
仮に支払うとしても交通費の実費程度が妥当なのではと思います。
私の場合は電車を利用しているため、議会出席のために往復でかかる交通費440円。
2,500円はどう考えても多いように感じています。
金額の大小に関わらず、
区民のみなさまから報酬の二重取りだと思われても当然だと思います。
新宿区では議会改革が進み、
5,000円の費用弁償が2,500円に削減された歴史もあります。
また、既に廃止まで踏み込んだ自治体も存在しています。
事務効率を考えると一律だと都合が良いという話もありますが、
新宿区議会議員は新宿区内在住が原則である以上、
例えば、特別な事情がない限り1,000円にまで削減しても、
電車で移動するなら十分な金額です。
これは民間からみたら議員特権じゃないの?
と思われてしまうような制度ではないでしょうか。
この費用弁償に関しては賛否両論あり、
不要、もしくは交通費実費支給が妥当と感じている議員はたくさんいらっしゃいます。
「それなら、返上したら良いんじゃないの?」
というご意見もたくさんございますが、
「寄付行為」に該当することからできないことになっています。
議員である以上、特定の団体にも寄付はできません。
そこで現状できる有効な選択肢として、
一時的に法務局を通じた「供託」という制度を利用し、
国にお金を預けるという手段があります。
※この供託は選挙の際にも登場しています。
うわっ…選挙の供託金、高すぎ…?高額な供託金とネット申請不可の書類準備編
お金を預けてその後どうするの?
ということでお金の使い道を考えなければなりません。
議員を辞めた時に供託していたお金を特定の団体や、自治体へ寄付をするなど、
社会のために役立てたいとの方針をお持ちの方が多いです。
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繰り返しになりますが、
私個人としては費用弁償の全額廃止を訴えます。
その立場から検討をいたしましたが、
今の段階では供託をしないことに決めましたのでその理由についてお伝えします。
どこかに寄付したとしても、
何かしらの方法でいつかこのお金は、その寄付をした先で使われることになります。
仮に自治体に寄付をしても、
そのお金が効果的に使われるとは限りません。
また、未来のお金の価値はどうなっているかわかりませんし、
今すぐに有効な形で使うことが
最も価値が高いという考え方でいきたいと考えています。
現在も児童擁護、障がい者参政権、若者の政治参加など、
取り組んでいる活動があります。
これらの活動を加速させ、
より問題解決までの時間を短くしていくために、
「誰がどうこのお金を使うのかわからない未来」にとっておくのではなく
「今」使う方が効果的だと考えています。
賛否両論あると思いますが、
みなさまはどうお考えでしょうか。
議員報酬、費用弁償、政務活動費などの財源はみなさまの税金です。
ぜひ、これらの制度に関して理解を深めていただき、
みなさまにも考えていただければ幸いです。
それでは本日はこの辺で。
–追記–
実はこのブログを書く少し前に政務活動費をテーマにSNSで議論を重ねました。
その流れも関係してくるためこのブログだけを読まれた場合に誤解を受けそうなので補足をいたします。