新国立競技場2,520億円→白紙。次は鐚一文支払わず済ませる道へ

昨日に引き続き、本日も「自治体財政研究会」で勉強をさせていただきました。
そこでも取り上げられた「新国立競技場とPPP(public-private partnership)」について、
本日学んだことや私の意見を改めてブログにまとめて、ご紹介したいと思います。

あまり知られていませんが、
実は新国立競技場問題は、新宿区霞ヶ丘町が舞台になっています。

私もよくお問い合わせをいただきますし、
新宿区民の最も高い関心があるテーマの一つです。

ご存知の通り、建設費は2,520億円まで膨れ上がり一旦白紙になった新国立競技場ですが、
世論の関心が集まり国民の声が届いた結果だと思います。

森元首相による「たった2,520億円」発言が話題になっていましたが、
人によって高い・安い、様々な感じ方があると思います。

政治家という立場からすれば、
いくら予算が付いても、自分の財布ではありませんので、
残念ながら痛くもかゆくもありません。
それどころか自らの実績として、
立派なハコモノができるという大きなメリットがある
ため、
建設をした方が良いに決まっています。

このようなインセンティブを求める可能性のある政治家に任せるのではなく、
本来は主権者である国民が意思表示をしていくことが大切です。

国民1人あたりに話を置き換えるとよくわかります。
総工費は約2,500億円、人口はざっくり1億人として割ってみると、
目安として、だいたい1人あたり2,500円の負担だと捉えることができます。
伊藤家は2人家族なので5,000円の負担が待ち受けていることになります。

私たち新宿区民のように足を運びやすい場所にあったり、
政治家や事業に携わる企業など利益を得る人にとっては良いのかもしれませんが、
世の中の大半の方が一度も行かない施設にこれだけの金額を負担するのはいかがでしょうか。

また、一度建設してしまった以上は、
大きな維持管理費がかかってくることも考えなければいけません。
計画通りに収益が得られるとも限りませんので、
一切の楽観視もできません。

そしてこれは新国立競技場だけの問題ではありません。

自治体はこれから20年以内に、
学校や図書館、そして庁舎など、多くの施設の更新をしなければなりません。
そこで費用が膨れあがってしまい、
最終的には意思表示をしていない子供たちが支払いをする未来がやってくるかもしれません。

そこで、「PPP(public-private partnership)」の導入が不可欠です。
PPPとは、これまで行政主体であった公共サービスを、
民と協力して運営していこうという考え方です。

本日は詳しいお話は省略しますが、
新宿区においてもPPPの手法の一つとして、
「指定管理者制度」などが取り組みが行われています。

お隣豊島区ではちょうど今年庁舎の建て替えをしています。
通常は100億程度かけてピカピカの庁舎に建て替えをするものですが、
マンション併設で、豊島区の負担ゼロで庁舎の建て替えをすることに成功しています。

高層ビルに豊島区新庁舎 マンション分譲、負担ゼロ(産経新聞)

このように、行政にとっても大きなコストカットができ、
民間が利益をあげることも可能で、サービスの質も向上するという循環が生まれています。

何十年もの長い歴史を経て、
行政・議会では税金を使った公共サービスが当たり前になってしまいました。

新国立競技場について話を進める際に、
「総工費はいくら?」
「費用を負担するのは国か東京都?」
この議論からスタートすること自体が間違っています。

まず、官と民が協力することから出発し、
国民の負担が無い範囲で建設をする。
これが今の日本に求められている道ではないでしょうか。

今の時代、民間に任せられないことの方が少ないですし、
民間で収益があがらないようなことを税で補填してまでやることで、
将来世代に負担を残す結果になってしまうかもしれません。

このタイミングだからこそ、
行政・議会は「本当に民間にできないのか」を全力で検討していなかえればなりませんし、
国民も新国立競技場だけでなく、自分の所属する自治体の状況をチェックしていかなければいけません。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社