自治体で「国で決定していることなので…」という言い訳は通用しない

本日は研修の2日目で、引き続き地方分権と行政改革について勉強しました。
よく東京都と23区の関係についてお話をさせていただきますが、今回は国と自治体の関係です。

「こんな政策が本当に必要なんですか?」
と自治体に質問してみても、
「国で決定していることなので…」
というテンプレート的な答弁が出てくることがあります。

確かにかつては機関委任事務という制度が存在していて、自治体の仕事は国の下請けのような状態でした。
昔は自治体の仕事を「法の執行である」と言われていたそうです。笑

国が法律の解釈を独占していた時代は終わり、現在は自治体が独自に解釈することができます。

また、法律以外にも
「国からの通達がありまして」
ということもありますが、通達とは単なる助言なのでこれも従う必要はありません。

そのため、本来であれば国から降りてきたように見える話であっても、個別に良し悪しの議論を行うべきです。
場合によっては、辺野古の事例のように国と地方で議論が分かれることがありますが、係争処理システムがあるため、しっかりと議論を行えば良い話です。

私が直面した実際の事例は過去のブログをご参考に↓
7億7000万円のバラマキと、1億円の事務費には賛成できません

例えば、利用しなくなった保育園などは厚生労働省からの公費で建てられているため、別の用途に用いることはできないそうです。

また、公園に関しても時間や場所などによっては非稼働となるスペースもあるため、放置自転車の問題解決のために駐輪所に活用してはどうかというご意見をいただいたこともあります。
しかし、法律で公園の用途が決まっているため、目的外使用ができないという話になってしまうのです。

予算を抑え社会的課題を解決するためには、どんな公共スペースであろうと柔軟に利活用していく必要があります。

しかし、国が税金を投入している限り、結局は国の方を見て仕事をしなければならず、地方は国の下部組織的な性質は消えません。

そもそも法令によって個性が異なる自治体を一括りにして政策を組み立てることは時代錯誤です。

よく、東京VS地方のような不毛な対立軸が出されることもあります。

税金を投じて地方でうまくいってる農業政策を新宿で行っても成功しませんし、逆に農村部へベンチャーを誘致しても簡単に東京に追いつくことはありえません。
地方交付税交付金など国から大きな影響を受ける制度を廃止し、各自治体が自由に個性を発揮し事業が行えるように改革を行うべきです。

せっかく良い政策ができても、過去にできた法律で規制があるため実行に移せない場合があります。
また、私が生まれる前に決まったようなルールを根拠にして議論が進むことになりますが、そうした枠の中で斬新な政策を生み出すことなどできません。

もちろん政策提言をする際には、レクチャーや今回の研修などで法令等を学ぶことが不可欠ですが、これでは行政マンと差がつくことはありません。
政策立案のきっかけはあくまで今を生きる感性を優先すべきです。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社