行政の保身優先!?起業家が知っておくべき補助金の罠

photo本日のテーマはベンチャー政策においても、重要なテーマである補助金です!

これから補助金に挑戦される起業家や起業政策に携わる方が頭に入れておくと良さそうなことを起業家の立場で解説しております。

何度か当ブログでも触れているように、伊藤 陽平はバラマキ政策には否定的な立場ではあります。(減税、規制緩和、金融政策を重視)

しかし、起業家として、

補助金は原則として利用するべきだと考えます。

基本的には誰もが高い税金を払うことになっています。

その一部が補助金として再分配されることになっているため、

少しでも支払った税を回収することで若干ですが自由に利用できる資金が増えることでしょう。。

リスクの高い創業期のベンチャーでは、

目的達成のために形振りかまわず取れる資金は全て取りにいく

くらいの姿勢でないと、すぐに潰れてしまうものです。

それでは、創業補助金を想定して制度についてみていきましょう!

細部まで張り巡らされた徹底した縛り

補助金と言うと、

お金が補助してもらえる!

ということでなんだか良さそうな感じですよね。

実際は、手元に入るまでにタイムラグがあり、支出した額に対する後払いになります。

例えば一般的な200万の創業補助金だと満額で補助を受けるには原則300万会社から事前の支出が必要です。

その時点で、最低でも300万は投資できる余力がないといけません。

後述しますが、

適用されない支出が多いため、他の経費も考えると500万以上資金がないとまともに活動して満額の補助は受けられないでしょう。

若者の起業を応援したい!

との考えもあるようですが、

ファイナンス無しの20代だと、自己資金で簡単に捻出できる額ではありませんので、

そもそもハードルが高すぎて若者のの創業向けではないとも感じます。

また、補助金の対象ですが、

私的利用の可能性が高いものは補助金の対象外

となります。

家賃、外注や、アルバイトの給与は良いことになっていますが、

役員報酬や、その家族への給与は禁止されています。

また、物への投資も一応オッケーですが、汎用性の高い物への投資は事実上禁止です。

例えば、

撮影スタジオを開業したいから、撮影機材を購入したい!

という話になると思いますが、

プライベートでも撮影できるからダメ!

となり否認されてしまう訳です。

いやいや、これだけスマホのカメラやデジカメが小型、高性能へと進化してるし、

今の時代プライベートでそんな大袈裟な機材使うはずないでしょ!

という起業家サイドの話は残念ながら通用しないのです。。

物への投資に関しては、

何だったら確実に良いんだよ!

と感じてしまうような状況ですね。

また、ソフトは採択された事例がないそうです。

商品開発する際にもAdobeソフトなんかの費用が発生するのでよく問い合わせが来るよですが、

プライベートでも使う可能性があるため補助金の対象外です。

わざわざ事業計画書まで作って金融機関へ行って、わざわざプライベートのためにAdobeを購入する人はどれだけいるんだろうか。。

また、採択後に補助金の申請内容や、事業期間を設定し行政から許可をもらいます。

これが一度で許可をもらえるわけではありませんが、

その期間内の支出でなければ原則補助金の対象外となります。

採択後であっても、

先週物件借りて、工事を始めちゃって対象外、、、

という話は複雑な制度を理解していなかったり、早期の投資を優先するなどの理由もあり、後をたたないことでしょう。

採択後には、補助金を中心に事業を組み立てなおす必要があり、

起業で重要なスピード感が失われることは確実です。

本当に必要な創業支援とは

このように、補助金には多くの罠が仕込まれているということがご理解いただけたでしょうか。

だからこそ、補助金は起業家のためになる制度としては不十分であると思います

まず、みてきたように、

行政サイドで問題が起きないことを第一に制度設計がされていることが伺えます。

税金を使っておりますので。。

と言う話が先行し、起業家への支援よりも、

投資として購入した物が私的に利用されてしまった

などの問題が起きないことを最優先だと考えています。

そんな背景から

否認されるリスクを回避するためにも家賃と人件費以外は申請しな

という起業家が増えています。

これでは、本当の必要な投資を推進することはできません。

行政の保身が補助金の使いずらさを生み出しているのです。

それでは、どのように起業家を支援するべきなのでしょうか。

私は以下の三つを軸に政策を組み立てる必要があると考えています

  • 減税
  • 規制緩和
  • 金融政策

そして、残りは市場に任せるべきだと考えています。

やってみるまで良い事業を選別することは難しいものです。

それを起業経験も無いような人が、

たいした情報も記載できない書類だけで採択企業を適切に判断できるはずがありません。

そんな状態で企業を採択し、

税金を私的に利用されるかも。。

と考え、行政サイドの論理で徹底的に起業家を縛るのはおかしな話ですよね。

それでは本日はこの辺で!

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社