紙が一枚もいらなかった 。生産性が向上するiPad Proペーパレス議会へ

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

私も所属する議会改革特別委員会を通じて推進してきた案件で、本年度から委員会に端末の持ち込みが許可され、ペーパレス議会が一部実現しています。
早速ですが、本日の委員会ではまだ私だけでしたが紙を1枚も使わずタブレットのみで対応することができました。

ここで、これまでの議論を簡単に振り返っていきます。

ペーパレスの話をさせていただくと、
「税金を使ってまでタブレットが欲しいのか!」
という厳しいご意見をいただくこともありました。
もちろん、コストを気にされる方もいらっしゃると思います。
ただ、印刷費に加え、職員は平均700万もの給与ですが、職員の方々が資料を印刷したり運ぶことの方がコストになります。
先行的にタブレット端末を導入されていた豊島区で調査を行なった際にも、コスト的な優位性が確認できました。

また現場の視点では、公費を投入した他自治体の事例をみていると、
「新たなツールのインストール禁止!」
など、端末利用に制約がかかってしまうというデメリットがあります。

端末を自分で選定することもできず、利用制限がかかれば、ICTの拡張性が発揮するのが難しくなります。
自由度の高さも優先され、新宿区議会議員では公費による端末購入は行わないことになり、安心しました。

そこで、端末をどうするかですが、私の場合、みなさまのご意見をいただき、ほぼA4サイズと変わらないiPad Proの12.9インチモデルを購入しました。
これまで何度かスタイラスを試したことがありましたが、精度や感触などがイマイチでした。
Apple Pencilは、1万円と強気な価格設定ですが、本物のペンと同じ感覚で資料に書き込みができます。
アプリを使えば、手書きの文字をデータにして検索することもできますが、これは字が汚い私にとってもありがたいです。

もう2年ほど前の話ですが、当選直後、決算特別委員会がありました。
長丁場になる予算や決算に関する委員会のみ、端末の持ち込みを許可されていたので、全議員で初めて原稿をすべてタブレットに詰め込み、1時間弱議論を行いました。
ペーパレスへの偏見をなくすためにも、誰かがやってみなければいけないと感じて、あえてパフォーマンスを行なったものです。
当時、実際にタブレットを使って質問をしたことで、ペーパーレス化の実現を示すことができました。

本日の委員会でも、実はまだ資料の配布は紙のみで、データはいただいておりませんでした。
データがない以上は、そのまま紙を持ち込む方が負担は少ないのでまだ普及していませんが、私は机上に一枚も紙を置かずに仕事ができるかを検証するためにも、事前にすべての資料をスキャナでデータ化することで、ペーパレスを実現しました。

タブレットは紙よりも効率が悪くなるというご意見もあります。
実際にペーパレス化したところ、データの方がむしろ資料の閲覧も素早くなりました。
また、誤字があったり資料に書き間違えた時、ボールペンでも鉛筆でも訂正するには手間がかかりますが、タブレットに手書きしたデータなら戻るボタンで綺麗に修正できるので、圧倒的に利便性が向上したと感じています。

少し贅沢な悩みですが、資料の閲覧と書き込み、ブラウザの利用など、様々な用途があるため、デュアルディスプレイが望ましいです。
今後は手持ちのMacBookかSurfaceを併用して、二台の端末がある状態で議論を行うことがベストだと考えています。

時代遅れ感が満載の議会が、少しずつですが新しく変わってきました。
引き続き特別委員会を通じて、議会のペーパレス化を進めてまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社