新宿区議会はタブレット入ってないし遅れてない?いいえ、端末ありきよりペーパレス、予算削減、生産性向上で価値を出す!

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

一昨日の自治・議会・行財政改革等特別委員会では、議会のペーパレス化について議論が行われました。
すでにWifi環境が整備されたり、会議に端末を持ち込むことも認められ、書類がメールにより共有されていますが、議会で用いる資料をどのように共有するかという点で議論が行われています。
企業の方をお招きし、ペーパレス化に関するご提案をいただきました。
北区などでもすでに利用されている、ブラウザからPDFなどにアクセスできる最もシンプルなサービスでした。

北区議会 議会データ検索システム

私は資料が閲覧できるならどのサービスでも特に違いは感じません。
すでに速記やオンライン会議録システムをお願いしている企業という点では、メリットがあります。
また、よくあるタブレットの全員支給して専用のアプリケーションをインストールするパターンは、数百万円かかってしまいます。
今回のご提案のようにファイルを共有する場合、一人当たり月額1,500円程度で年間数十万円程度で運用が可能です。
すでにタブレットを導入されている豊島区へ視察をさせていただいた際に、600万円もの削減効果があるとご説明がありました。
安価におさえることで、さらなる住民負担軽減というメリットにもつながる可能性があります。

他自治体の議員と意見交換の場で、
「新宿区議会では、まだタブレット入ってないの?」
とご指摘をいただくこともあります。
その際は、
「新宿区議会議員は議員のITリテラシーが相対的に高いからこそ、今はWifiのみで運用しています。」
と丁寧にご説明をさせていただいております。

私も委員会ではこだわりを主張してしまい、スピーディに決められなかったことは反省もしています。
しかし、裏を返すと丁寧に議論が行われていたから時間がかかってしまったとも言えます。
新宿区議会では、多くの議員が自主的にパソコンやタブレット端末を活用していましたし、タブレット導入ありきで民間に丸投げするという発想にはなりませんでした。
結果的にタブレット端末の一斉導入を行なっていないのも、コストの増大を抑制することにもつながります。
何よりもペーパレス、費用の削減、あるいは議会の生産性向上などの本質が共有された点は大きいです。
議会改革の特集で取り上げられることはないかもしれませんが、地味でも効果的な取り組みになると確信しています。
次のフェーズでは、民間の事例を注視しながら積極的に取り入れ、スピードを加速させていきます。

今回のペーパレス化と同様に、丁寧に議論を行うことで遅くなってしまう政策はあると思います。
私もICT化は徹底的に推進したいと考えておりますが、
「新宿区で、コンビニで住民票が取れなくて不便だ。」
ご指摘をいただいてしまうことがあります。

新宿区も平成30年から住民票の写しや印鑑証明書のコンビニ交付開始!7000万を抑えた英断

2017年7月4日

新宿区くらいなもので、申し訳ないと思いますし、多くのご批判をいただいております。
マイナンバーが浸透していない状況で、追加で7,000万円程度の住民負担が発生することを考慮すると、新宿区の英断だったと考えています。
また、一人当たりのご負担は多くないと思われてしまうこともありますが、福祉など予算の優先順位がある中で一つの案件への支出が行われると、別の案件にもお金を出さなければならず、住民負担の増大につながります。
すでに平均的な会社員は、年間の半分近くを納税するために働いている状況にあります。
住民負担が最小になるよう、需要を見極めながら、ICT化を推進してまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社