教員の働き方改革は大チャンス!タイムレコーダーのみならずICTで教育の質向上を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日は、今年度初の文教子ども委員会でした。
新しく異動されてきた職員の方からご挨拶をいただきました。

本日の委員会では、調査事件として教員の働き方改革第一次報告書に関して議論が行われたので、ご報告させていただきます。
昨今、教員の長時間労働が問題になっています。
例えば、小学校の場合、平日の実働勤務時間は校長で11時間6分、副校長で12時間55分、教諭で11時間8分です。
特に副校長の勤務が長くなる傾向があります。

学習指導要領の改定などにより、教員に求められるスキルも変化します。
具体的には、アクティブラーニング、英語教育、あるいはプログラミング教育などがありますが、現在の教員で行うことになれば、負担が増える可能性は高まります。
一方で、民間でも働き方改革が行われています。
教員も厳しい状況にありますが、むしろ民間の方が苦しい状況にあることは変わりません。
なぜなら、社会の変化に対応できなければ、事業が継続できないからです。
そのため、労働時間の短縮に加え、生産性を向上し、より質の高いサービスを提供することを両立してきました。
事業の無駄を削減したり、ICTの推進などによって生産性の向上が行われています。
学校においても、今の業務を維持しながら人を増やして長時間労働を削減することで問題解決を行うだけでは不十分です。
あらゆる可能性を検討することで、労働集約型の仕事から脱却し、子どもたちの教育の質向上を目指すことが大切です。

新宿区教育委員会では、「教員の勤務環境の改善・働き方改革プロジェクトチーム」が組織されました。
しかし、民間など外部のメンバーはゼロで、教育委員会事務局と教員により構成されたチームでした。
あくまで昔から続く学校教育を維持することが前提になっているため、踏み込んだ改革が行えていません。
報告によると、部活も含めた外部人材の活用、タイムレコーダー、あるいは相談体制の整備などが推進される見通しです。
ICTの活用ということにも触れられていましたが、プロジェクトチームがまとめた取り組みは教材を共有するという程度にとどまっています。
これまでの私がインタビューをさせていただいたEdtechに関する連載でも書いてきましたが、ICTと人が共存することで、質の向上とコストの削減は両立することが可能です。

詳しくは過去の記事や書籍もご参考に。

ブレンディッド・ラーニングの衝撃 「個別カリキュラム×生徒主導×達成度基準」を実現したアメリカの教育革命 | マイケル・B・ホーン, ヘザー・ステイカー, 小松 健司 |本 | 通販 | Amazon

他にも、地味に見えるかもしれませんが、問い合わせ対応のために留守番電話の導入などが検討されています。
留守電も必要だと思いますが、移動中にも問い合わせができるホームページ上にフォームを設置する方が効率的だとも考えられます。
働き方に課題があるということは、今の学校を改革する大チャンスです。
その場しのぎの対応ではなく、子どもたちのためになるよう、引き続き提言を行ってまいります。

第一回定例会でRPA導入の可能性について代表質問により提言を行っています。
RPAについては過去のブログもご参考に。

公務員の仕事もコンピュータが代替!つくば市がRPA(ロボットによる業務自動化)導入!

2018年2月6日

伊藤 教員の多忙化を解消するために、ICTによる業務効率化が有効だと考えています。RPAの導入が有効だと考えていますが、いかがでしょうか。

教育長 教育委員会では、平成21年度から学校のICT化に取り組んでおり、教員への一人一台のパソコンの配備や校内LANの整備、成績管理や保健管理等の校務データの一元管理を可能とする校務支援システムの導入により、校務の効率化を図っています。
また、「だれもが、いつでも、簡単に使用できるICT環境」をコンセプトに、より使いやすく、より教育効果の高いICT機器を導入するなど、教員や児童・生徒が利用する教育用ネットワークシステムについても充実を図っており、教材作成やデジタル教材・授業支援システムの活用促進など、ICTが様々な場面で教員の業務の効率化に寄与しています。
ご指摘のRPAについて、「自治体のRPA活用推進に向けた共同研究」を行っているつくば市に問い合わせたところ、簡易な入力作業や帳票印刷など、定型的かつ膨大な作業量が発生する単純業務の効率化には有効であること、また、作業が複雑でフロー化 が困難な業務や教育分野等への導入については、今後、さらなる課題の検証が必要であるとの見解を得ています。教員の多忙化の解消に向けた取り組みは、教育委員会においても重要な課題と考えておりますので、現在、各校を巡回しているICT支援員によるより積極的な学校ICTの有効活用に向けた助言や声掛け、先進事例や教材等の共有化を一層推進するとともに「教員の勤務環境の改善・働き方改革プロジェクトチーム」の中で今後もさらに検討を進めてまいります。

ICTを活用して、仕事自体を削減するなど根本的な問題解決、そして教育の質向上を推進します。

それでは本日はこの辺で。

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伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社