昨日は、インクルーシブ保育に関して先進的な取り組みをされている「葛飾こどもの園幼稚園」へお伺いさせていただきました。
「インクルーシブ」という言葉は教育領域を中心に徐々に広まりつつありますが、インクルーシブ保育とは、障がいの有り無しに関わらず、同じ空間で子どもたち一人一人を尊重することを前提とした保育です。
約10%が障がいをお持ちのお子さん、そして、外国にルーツをお持ちのお子さんも数名通われていました。
一日の流れは8時過ぎから順次登園し、11:30のクラスの集まりまでは、長い自由時間!
園内も広く、豚や鳥が放し飼いでウロウロしていたり、自由度が高いことに特徴があります。
一人で遊んでいる子もいれば、みんなで遊んでいる子、先生と遊んでいる子と遊びも様々です。
子どもたちが自由に遊んでいる様子を見ても、誰が障がいを持っているのか、日本人かそうでないのか、区別がつかない状態でした。
大人が決めたプログラムの中に子どもが活動すれば、遅れてしまったり、浮いてしまう子どもが出てしまうこともあるでしょう。
しかし、全てを開放し自由にすることで、どの子どもでも多様な活動ができるようになり、尊重することができるのです。
そして、一番驚いたのは、たき火をしている子どもたちがいたことです。
どうやら、毎日斧で薪割り、たき火をしている子どもいるとのことでした、
「火や道具を扱うのはケガをして危ないんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃると思います。
もちろん、大人の監督下にあってもケガをすることはあります。
しかし、道具や熱いものに触ったりする経験から本当のリスクセンスが身に付き、生きる力へとつながっていくのです。
私も、子どもたちが焼き芋大会をしているところに混ぜていただき、楽しい時間を過ごすことができました^^
インクルーシブ保育は保護者へも影響を与えているのです。
例えば、出産を控えたお母さんがいる家庭の児童のお弁当を他の家庭のお母さんが作ったり、日本語が不自由な外国人の保護者には、他の家庭の保護者がサポートして小学校見学に行ったり助け合いをしているとのことでした。
一方で、障がいをお持ちのお子さんも一緒に対応をする必要があることから、現場には特別な支援ができるスキルが必要です。
現場で働く先生もとてもお忙しそうな様子でした。
子どもに決められたプログラムを与えること以上に、自由保育の推進は現場の負担も大きくなります。
これまでノウハウを蓄積してきた園がインクルーシブへ移行をするにはハードルを感じることになるでしょう。
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「障がい児保育をしているわけではありません。」
と先生がおっしゃっていたのが印象的でした。
多様性を持った子どもが集まり、自由に活動するということを小さいころに経験できるということは、障がいが有る子どもだけでなく、障がい無いとされる子どもへのメリットもあると思います。
今後とも、インクルーシブ保育の事例を学び、議会での提言へとつなげていきたいと思います。
それでは本日はこの辺で。