内田茂氏は都民ファーストだと言い張る川松自民都議へ公開質問状

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

千代田区長選挙5日目、後半戦に突入です。
SNS上でも千代田区長選挙に関する情報が流れていますが、石川まさみ候補は2月3日(金)に小池都知事と街頭演説会を開催されるようです。

街頭演説会の告知などがされている、石川候補のSNSアカウントはこちら↓

私もこれまで千代田区長選挙に関するブログを書かせていただきました。

ブログを書いてきたことで様々な反響がございましたが、都議会自民党の川松真一朗都議が、私の投稿「千代田区長選、与謝野氏当選ならドン勢い。特別区にも影響。(アゴラ)」を読んでくださったようです。
そして、「小池支持者も驚愕、千代田ファーストは内田茂都議の政策だった⁈」という記事を通じて、私の投稿にも触れて頂いております。

 

世間の注目を集める都議会自民党の現職都議の方が、いち無名無所属区議のブログの内容を読んでくださったのは大変光栄なことです。

川松都議のブログを読ませていただき、その内容については「内田都議(画像は内田茂公式HPより)は、千代田ファースト(=区民ファースト)で活動し、都民のために尽力されてきた(都民ファースト)、まさに改革派。」と解釈させていただきました。

川松都議の投稿を読ませていただいた上で、内田都議のご活動やご実績について考えるにあたり、2点重要なポイントがあると思います。
川松都議の投稿の中では直接触れられていませんでしたが、やはり「ドン」と呼ばれる特定の人物に権力が集中してしまっているのではないか。
そして、「内田氏は改革派」と書かれていますが、本当に改革派なのか。
この2点について、私の見解を書かせていただきたいと思います。

川松都議は、自民党都連が「ドン隠し」を行う中で、不正入札の問題などについても改めて触れられています。

こちらが話題となった文春砲ですが、これだけでは黒とも言えませんし、微妙なところです。

“都議会のドン”といわれる内田茂自民党東京都連幹事長(77)が役員を務める会社が、複数の東京オリンピックの施設工事を受注していたことがわかった。

内田氏は、落選中だった2010年から地元・千代田区に本社を置く東光電気工事の監査役に就任。
内田氏の所得等報告書、関連会社等報告書を総合すると毎年数百万円の役員報酬を受けているとみられる。

東光電気工事は、大手建設会社とジョイントベンチャー(JV)を組み、今年1月、バレーボール会場の「有明アリーナ」(落札額360億2880万円)、水泳の「オリンピックアクアティクスセンター」(469億8000万円)の施設工事を落札。
東京オリンピックに向けては3つの恒久施設が新築されるが、このうち2件を東光電気工事のJVが受注したことになる。

特に、有明アリーナの競争入札では、東光電気工事のJVの入札価格がライバルのJVより高く、価格点で下回ったが、施工計画などの技術点で上回り、落札に成功した。
専門紙の建設通信新聞も<逆転落札>(1月18日付)と報じたほどの逆転劇だった。

東光電気工事は、五輪施設だけではなく、豊洲新市場の関連工事など、都発注の工事もたびたび受注。
売上高は、内田氏が復活当選する2013年までは700億円前後だったが、2014年には約1000億円へと急成長している。

2016/7/27 週刊文春

ちなみに、2009年の毎日新聞ですでに「ドン」という単語が用いられており、内田氏が都議会外からも「ドン」と認識されていることがわかります。

◇都議会のドン苦杯 千代田・内田さん「初めて逆風意識」
首都決戦の行方を占うとみられた「1人区」は7選挙区。自民は島部の1議席しか確保できない完敗だった。
「間違いだろう」。千代田区の現職で都連幹事長の内田茂さん(70)の事務所に「落選」の報が流れると、支持者からため息が漏れた。
内田さんは7選を目指した大ベテラン。都議会自民党幹事長や議長を歴任した。「都議会のドン」と呼ばれ、毎回のように「ダブルスコア」で勝利してきたが、陣営内には「千代田区で初めて風を意識した」との声があった。「不徳のいたすところです」。内田さんは無念の表情であいさつすると、報道陣の質問には答えないまま裏口から姿を消した。

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2009/07/13 毎日新聞 朝刊

また、東京都知事選挙直後の夕刊フジの記事では、「都議会のドン」が大きな影響力を持っていることがわかります。

東京都の小池百合子知事(64)と対立関係にある、「都議会のドン」こと内田茂都議(77)の政治資金パーティーが24日夕、都内のホテルで開かれ、現職閣僚や与党幹部、都庁幹部など約2000人が集結した。報道陣をシャットアウトした事実上の“秘密集会”で、取材を試みようとした夕刊フジ記者が主催者側から罵声を浴びせられる場面もあった。リオデジャネイロ五輪の閉会式出席を終えて帰国した小池氏は「都政透明化」を加速させるためか、同日、都政改革本部の職員を増員した。
24日午後5時半ごろ、皇居近くの有名ホテル。「内田茂さん政治活動40年を祝い励ます会」と記されたパーティー会場前は、数百人の来場客でごった返していた。何と「都庁 外郭団体」の専用受付まで設けられていた。大きな扉が開くと、またたく間に、立食で1500人収容の会場が“すし詰め状態”になった。

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菅氏は、第1次安倍晋三政権の総務相時代に、都の税収を地方に配分する件で内田氏に相談に行ったことを振り返り、「実力者といわれる内田先生のところに恐る恐るお願いに行った。私が思っていた『内田茂』という政治家像と違った。『日本全国のことを考えたら、当然じゃないか』といわれた。心底、政治家として尊敬をしている」と絶賛した。
都知事選敗北の責任を取って自民党都連会長を辞任した石原氏は「大きい顔して、ここには出てきづらい」と前置きし、「2020年東京五輪を成功させるためには、(内田氏に)もうひと働きも、ふた働きもやってもらわないと成功しない。今日はそんな陳情も兼ねてきた」と語った。
来賓あいさつだけで約1時間かかり、途中で会場の女性が気分を悪くするアクシデントまであったという。内田氏の謝辞は、午後7時過ぎに始まった。

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くしくも同日午後、週刊文春(9月1日号)の早刷りが出回り、「都議会ドン内田茂と4000億円『五輪道路』」という記事のコピーが都庁内外に広まった。だが、内田氏周辺はあまり気にしていないようだ。
支援団体関係者はこれを逆手にとって、「週刊誌報道はあるが、これからもドンドン、分かりますか? ドン、ドン頑張ってほしい」と、乾杯の音頭を取ったという。
「都議会のドン」の絶大な影響力を見せつけたパーティー。
当然、小池氏サイドは出席した都庁幹部の顔ぶれを把握しており、「職員が新しく知事になった小池氏ではなく、内田氏を向いていることがよく分かった」(小池氏周辺)といい、動いた。
小池氏がリオから帰国した24日、都は「都政透明化」を担当する都政改革本部に、課長級1人を含む職員5人を増員すると発表したのだ。異動は25日付。担当職員は部長級以下計12人になる。
都政改革本部は9月上旬に本格稼働予定で、小池氏が任命した都顧問10人がメンバーを兼務する。2020年東京五輪関連予算の妥当性や、情報公開のあり方をチェックし、改善を図る。
「小池氏vsドン」のバトルはさらに激化しそうだ。

2016/08/26 夕刊フジ

この記事のポイントは、自らの支援団体から「ドン」という言葉を使っている点です。
調子の良い時だけ「ドン」であることを利用して、都合が悪くなれば「ドン隠し」が行われている模様です。

川松都議のブログでは、内田都議の実績や改革派であるということが書かれていましたが、内田都議ご本人の過去の発言内容には関係なく、内田都議が「ドン」であることに変わりはなく、争点隠しが行われているものだと考えられます。

さらに、重要な箇所を再度引用させていただきます。

菅氏は、第1次安倍晋三政権の総務相時代に、都の税収を地方に配分する件で内田氏に相談に行ったことを振り返り、「実力者といわれる内田先生のところに恐る恐るお願いに行った。私が思っていた『内田茂』という政治家像と違った。『日本全国のことを考えたら、当然じゃないか』といわれた。心底、政治家として尊敬をしている」と絶賛した。

これは、内田氏が非常に大きな影響力を持つ人物であることを示すのと同時に、東京都の税金を地方へばらまくという行為に関与していたことを意味します。
本当に、都民のことを考えた「改革派」と言えるのでしょうか。
また、都区制度改革については、「待機児童を増やそう」という政治家をほぼ見かけないのと同じように、多くの政治家が「都区制度改革を実施しよう」と主張していおり、「改革派である」と言えるほどのことでもありません。

「ドン」に権力が集中し、その歪んだパワーバランスによってばら撒かれる都民の税金。
本当にこれが、都民のために良い状態であると言えるのか。
先ほどの2点、ドンへの権力の集中と改革派かどうかについては、やはり疑問を感じざるを得ません。

さて、先ほどの川松慎一朗都議の過去のブログも拝読しましたが、東京都知事選挙の際には、大変熱い気持ちで増田候補の支援をされていました↓
都知事選最終日に思う事。増田寛也、仲間との絆。|川松真一朗の「日に日に新たに!!」

増田寛也氏が総務大臣をつとめられている際に、東京の税金が、他自治体へ流れてしまうという制度がつくられたことが話題となりました。

私は東京都知事選挙の時期に岩手県に行ったこともあり、増田寛也氏の実績をこの目で見てきました。
残念ながら、納税者の目線に立ってみると問題があるように思われる実績ばかりでした。

東京都知事選挙の際のブログはこちら↓

東京都民の税金が地方へ流出していることについては、渡瀬裕哉さんの記事にわかりやすく書かれています↓
切捨御免!ワタセユウヤの一刀両断!:ニコニコ討論会、政策に切り込む上杉砲が炸裂した

増田氏の議論自体は悪くなかったが、それ以上に上杉隆氏の頑張りに都民として共感した

途中から何故か司会者が増田氏を庇わなければならないほどに岩手時代・総務大臣時代の実績を巡ってフルボッコ状態の討論会でしたが、その中で増田氏も行政経験者としてつつがなく対応していたように思います。

その中で上杉隆氏の討論が最も鋭かったポイントは、毎年約2000億円の地方法人特別税廃止後にその代替財源として決まっている東京都の法人住民税・毎年約3200億円の地方への巨額の移転についての賛否を増田氏に追及した点です。

むろん、東京都知事としての賛否なのだから国会で決めたことだという答弁に意味がないと思います。したがって、この仕組みに対して明確に反対を述べることが都民の税金を守るということになります。

なぜなら、この東京都からの法人住民税の地方への巨額移転を止めることができれば、介護・保育そのための予算を捻出することは容易だからです。上杉氏が指摘したように都内の介護士の月収10万円上げても110億円で済むことから、この法人住民税の移転への賛否こそが東京都民のために働ける人かどうかのメルクマールになるのです。

こちらのブログもご参考に↓
切捨御免!ワタセユウヤの一刀両断!:東京都民に課される毎月45,482円「東京税」を知ってますか?

増田寛也氏、あるいは内田茂都議が行ってきたことは、東京都の自治を奪うものであると考えられます。

話を今回の千代田区長選挙に戻します。
今回の選挙期間中、石川まさみ候補に対して、与謝野信候補を支援される方から、多選や年齢をネタにネガティブキャンペーンが行われています。
内田茂都議の娘婿である内田直之区議も、石川まさみ候補の多選について、演説の中で言及されています。
しかし、内田都議は7期、77歳です。
批判をされている方は、こちらの事実もお考えいただいた方が良いと思います。

過去のブログもご参考に↓
与謝野信千代田区長候補に不都合なスリーセブン、内田茂氏7期77歳は多選高齢!?

ここまでの経緯を踏まえて、この4点について、ぜひ川松都議のご意見をお伺いしてみたいと思います。
(1)内田茂都議が、都議会のドンと呼ばれることはどのように考えているのか
(2)本当に内田都議は「改革派」であるのか
(3)増田寛也氏を都知事選で支援されたが、都民の立場で考えれば間違っていたのでは
(4)内田茂都議の高齢多選に関しては、どのようにお考えか
お忙しいかもしれませんが、せっかくの機会なので、選挙期間中に議論を深めるという意味でも2月4日までにご意見をいただけると嬉しいです。

また、メディアで報じられている「ドン隠し」を払拭し、今回のように内田茂都議の政策を積極的に訴えていただきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社