福祉でも質向上のため費用対効果が大事。行政評価にも公会計の行政コスト計算書(P/L)を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

火曜日は、自治・議会・行財政改革等特別委員会でした。
当日の議題となった行政評価について、議論をさせていたいただいたのでご報告します。

行政評価に関する過去の関連するブログはこちら。

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2017年7月19日

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2017年7月31日

新宿区では、区役所内で行う内部評価を行い、さらにその結果をもとに学識経験者や区民による外部評価を行っています。
二重で評価する点は素晴らしいですが、内部評価の結果にとらわれず、さらに外部評価の独立性を高めるべきだと訴えてきました。
外部評価部会では委員が部会に所属し、それぞれ担当するテーマが異なります。
部会は3つあります。
第一部会では、まちづくり、環境、みどりについて評価し、「みどりの創造と公園等の整備」が今年度のテーマです。
第二部会を扱う福祉、子育て、教育、くらしなど生活に密着した部会では「地域包括ケアシステム」がテーマです。
第三部会では、自治、コミュニティ、文化、観光、産業がテーマとなり、「商店会活性化」について評価を行います。

これまでは各事業ごとに議論が行われてきましたが、今回はより広い視点で議論を行うため、上記のテーマに連する複数の事業を評価することになりました。
委員が部会に属していない事業に関しても評価できるようにすべきだと、ご提案をさせていただきました。
全員が希望の部会に入れるわけではありませんし、テーマは初回の会議で決まったようです。
しかし、公募区民からすればまともに議論をしていないのに半強制で上記テーマについて議論をしなければなりません。
部会とは関係のないテーマでも、鋭いご意見が出てくる可能性は十分あります。
内部評価の資料や新宿区のホームページ等に情報があるため、わざわざ会議を開かなくても評価はできます。
資料ではわからない点があれば、新宿区役所に電話で確認すれば問題ありません。
その上で、部会ごとにさらに踏み込んだ議論を行う方が、より深い検証が行えると考えています。

さらに、全事業に対して費用対効果を追及することについても要望しました。
費用対効果を追及することについては、弱者を切り捨てると批判されることもあります。
しかし、そのような意図は一切ありません。
そもそも、区民は税金を支払い、その上で行政サービスというアウトプットが存在します。
必要なことだから無限にお金を支出して良いという前提もありませんし、無駄遣いは納税者の切り捨てです。
納税した額よりも受け取っている行政サービスにかかっている税の方が大きいことも、珍しくありません。
場合によっては、お一人に対して数百万円の多額の税を投じる事業もありますが、それでも厳しいご批判をいただいてしまう残念な事例もあります。

厳しいご批判をいただいた場合は、支援を拡充することも選択肢です。
しかし、投じた額に対するアウトプットの質を、まず一番に考えるべきでしょう。
数字で検証を行い、それを区民にも伝え、議論する必要があります。
今よりも数字に基づき議論をすることができれば、行政サービスの質は向上すると確信しています。

数字を検証するアプローチの一つとして、公会計の活用が挙げられます。
行政評価に公会計を活用する取り組みが、今年度から始まっています。
内部評価では、行政コスト計算書(P/L)という資料でコストに関する議論がはじまっています。
新宿区の方で、
「この事業は、費用対効果の考えにそぐわない。」
と、例外を設けず外部評価でも全事業に対して用いて議論をすることが必要だと、要望させていただきました。

新宿区の行政評価は、試行錯誤をしながら独自の路線で行われてきました。
区民が参加する外部評価の場で厳しいチェックが行われ、事業に影響を与えることもあります。
もちろん、区議会を通じて厳しく行政のチェックを行うことも大切です。
特別委員会等の議論を通じて、行財政改革を推進してまいります。

それでは本日はこの辺で。

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伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社