予算500万、アイドルフェスで来場者増でも、区政参加できない「若者のつどい」は見直しを

本日は以前からご紹介させていただいた「若者のつどい」でした。

☆☆☆若者のつどい2016を開催します☆☆☆~WAになろう新宿~

田崎健太さんによる司会で、新宿区出身(しかも落合)でシンクロナイズドスイミング銅メダルの三井梨紗子さん、そして吉住区長のスペシャルトークセッションは、地元ならではの話題が繰り広げられました。
また、サプライズで、吉住区長から三井さんへ新宿区スポーツ栄誉賞が贈呈されました。

新たに創設されたということで、受賞第一号、本当におめでとうございます!
その後もトークイベントが続いたり、お笑いイベントも笑ったし、アイドルライブのトリでは人気のNegiccoさんも登場しました。

新宿区政に関するブースでは、職員の方にたくさんお声がけいただきました。
他にもNPOによるブースや、お金に関するセミナーなどが行われていました。

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また、毎年恒例の無料でスタバのコーヒーが飲めるブースも。

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今日は若者として本当に楽しい1日を過ごさせていただきました^^
新宿区のみなさま、参加されたみなさま、本当にお疲れ様でした、ありがとうございました!

さて、ここからは議会を想定した感想です。

結論としては、昨年ブログにまとめた評価からまったく変わりません。
イベントの目的が不明確で、税金で特定の層にしかメリットがないエンタメイベントを行っている状況に対して、強く問題意識を持っています。

昨年のブログはこちら↓
行政が若者対象のイベントを運営する難しさ。新宿区「若者のつどい2015」へ参加。

トークショーのスタート時に数えてみましたが、ホールには100名超ほどのお客さんが入っていました。
後ろから見ればホールに対してスカスカなことは明らかで、最前列のあたりは人がたくさんいましたが、アイドルのファンの方に占領されている状態。
そして、会場外のアイドルの特典会場には行列。

アイドルのライブがはじまるころにはざっと5倍近くにお客さんの数は膨れ上がり、サイリウム(光る棒)がどこからともなく現れ、ライブがはじまると客席から絶叫やオタ芸の嵐となり、大変盛り上がっていきました。
みなさんアイドルの楽曲を丁寧に覚えて楽しんでいらっしゃるようでしたが、これはどこからどう見ても「若い新宿区民の集まり」ではなく、「アイドルファンのつどい」だったことは明らかです。

MCの中でアイドルの方も、
「昔、若者だった方もたくさんいらっしゃいますねー!」
とおっしゃっていました。

会場全体を歩きまわりましたが、40以上の世代の方もかなりいらっしゃったり、本当に新宿区の若者が主役となるイベントかと疑問に感じました。

税金でアイドルイベントを行うこと自体を否定するわけではありません。
アイドルファンのおかげで来場者は倍になり、盛り上がったので良い写真は撮れたと思います。

しかし、これは新宿区民にとってどのようなメリットがあったのかは説明がつきません。
例えば、私にとっては楽しめるイベントだったのかもしれませんが、気合を入れてNegiccoまで召喚したアイドルライブに一切興味がない若い新宿区民にとっては、ただ税金が使われただけでしかありません。
このように、「若者のつどい」に限らず他人の金で遊ぶということは、常に不平等であり、目的が不明確である以上は実施しないことが適切だと言えます。

重ねて申しますと、新宿区は日本屈指のブランド力のある都市です。
来街者を招こうという意図があったと説明があるかもしれませんが、新宿駅は世界一の乗降客数なので、わざわざ行政がイベントを行わなくても既に若者は集まっています。

例えば、歌舞伎町ではクラウドファンディングにより無料音楽イベントが行われ、新たな起業家も誕生しました。
補助金よりチャンス!リアニメーションで歌舞伎町から地域活性化と創業支援が実現(2010年)

これこそ、若者が主役となり、その才能が発揮されたイベントだと言えます。
優秀な新宿区の職員が適切な形でバックアップを行っていましたが、目標設定も明確な素晴らしい取り組みでした。
このような事例もある状況で、目的なく税金でエンタメイベントを行う必要はありません。

議員になる以前の話ですが、「若者のつどい2014」へ参加した際に書いたブログを読み返しました。
20代、30代へ新宿区政をPRできる唯一の日?「若者のつどい2014」へ参加

「若者のつどい」を肝いりではじめた中山区長は、区政について知っていただきたいとお話をされていました。

新宿区長としての任期が明日までの中山区長から、
「若い人にまちのことや、区の仕事はどんなことなんだろうと知っていただきたい。」
という開催の理由についてお話をいただきました。

中山前区長がおっしゃるように、当初は「若者の区政参加を促進する」という目的だったはずで、吉住区長も区政について少し触れられていましたが、イベントの内容を見る限り根本的なビジョンがどこか遠くへいってしまったようです。

全体のまとめ的な意見を申しますと、
「若者なめんな。」
というのが率直な感想です。

昨年から指摘を続けていますが、税金を用いた目的が不明瞭な若者事業がまかり通っているようでは、若者から信頼を得ることなど不可能です。

区政参加なんて夢のまた夢。
ビジョンを明確にして、現実的な対応を行うことが必要です。

繰り返しになりますが、「若者のつどい」は廃止が妥当と言えます。
これまでも議会で「若者会議」などの提言を行ってきましたが、「若者のつどい」の企画自体を一度リセットすることで、あくまで「若者の区政参加」を軸に据えて出直すことが必要です。

昨年に引き続きくどいようですが、20代としての立場から代表質問で強く提言をさせていただきます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社