約1600名、現職都議も受験必須!希望の塾、都議選対策講座を考えてみる

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

自宅でテレビをつけると、おときた都議の姿が!
本日は希望の塾で試験が行われたようで、そのインタビューの様子が放送されていました。

小池都知事の政治塾、都議選候補者選びへ筆記試験 40人程度の公認めざす(日経新聞)

これまで政治家はなりたくない仕事の代名詞でしたが、メディアでは1600名程度の方が受験されたということで、驚くほどの人気ですね。

一方で毎度のことですが、選挙が近づくとピリピリするもので、ネガティブな声もあがっているようです。

知名度でエド・はるみ選ぶな 都議選候補者選考に小池塾から疑心暗鬼の声

私は都議選にも立候補しないため本件には一切関係ありませんが、上記のような噂レベルの記事も含めて公開されている情報をもとにしながら、主観的に希望の塾が行なった試験(特に都議選講座)について考えてみたいと思います。

まず、Twitterを見ると、先輩のおときた都議は本日筆記試験を「受験」されていたようです。

すでに都政に大きく貢献し、知事にも評価をされている方だと思いますが、他の塾生の方々と同じ条件が課されているという点は驚きました。

他にも現職都議が受験されている様子がタイムラインで上がってきました。

一方で、
「ペーパーで何がわかる!人をみて決めろ!」
という、ご意見も多々あるようでした。

ただ、面接など定性的な情報だけでは、「コネ」の要素が排除できない可能性は高まると考えられます。
そのため、一律に筆記試験を課して、定量的な要素も評価に加えたことは、むしろ画期的なことだと言えます。

そして少し考えればわかると思いますが、4000名の塾生を面接することは非現実的で、一人5分だとしても、準備を含めると350時間程度はかかります。

政党であれば面接は国会議員が行うものですが、今回であれば小池塾長や都政関係者が行うことになると予想されます。
多忙な中で全ての面接を行うことは現実的ではありませんし、短い時間の面接では筆記試験よりも判断できることは少ないのではないかと考えられます。

また、面接の場合、試験対策を行うグループで内容が漏れることは避けられないと考えられ、対策が容易になることも想定されます。
そのため、筆記試験は妥当な判断だと言えます。

また、筆記試験の場合は公務員試験の経験者、あるいは専門家が有利ではないかというご意見もあると思います。

そもそも誤解されている方があまりに多いですが、政治家は自治体職員や専門家ではありません。

そのため、常識にとらわれず、現職議員や専門家を圧倒するような見識を書いて提出することは、誰にでもチャンスがあります。
むしろ民間で働き、都民として暮らしをよく知っている方こそ、既存の政策パッケージに縛られることがないため、有利なくらいだと認識しています。

これまでの講義や、本日の試験にも論文が出ましたが、即応力を発揮して都政関係者がうなるような斬新な回答ができた方もいらっしゃるはずです。

そもそも、議員になってからすぐに仕事が始まり現職議員にも劣らないよう大量の文章を書くことになりますが、新人の方が、
「選挙が終わってから勉強します!」
ということでは遅すぎるため、早い段階で適性を見極める意味でも試験は合理的だったと言えます。

また、今の時点から人数を200-300名に絞ることにも批判はあると思います。

まず、人数が膨大になってしまったことを問題視する声もありますが、希望の塾自体は選挙を目的としたものではなく、都政を学ぶ場として開講されています。

通常の政治塾は最初から選挙を想定されたものですが、根本的な出発点が異なるもので、間口を広げたこと自体が画期的なことでした。

また、選挙を想定されている方に関しては、これからさらに本番ということになると思います。
ペーパーでは測定不能だとされた人物の見極めに関しては、数十人程度まで候補者として絞られる際に、日々の活動まで細かく把握することができるようになりますので、心配は無用です。

選挙は、新人もベテランも老若男女関係なく、誰でも同じ土俵で勝負できるところに醍醐味があります。

一見すると新人は不利に見えることもあるかもしれません。
しかし、当選して新人議員として現場に入ればもっと不利なことがあったり困難だらけなので、どちらにしろ自分で環境を変えていかなければなりません。

例えば、自分がどの選挙に立候補するか、どんな戦略で挑むかは、自分の意思で最善の選択を行うことができます。

仮に自分が受験生だとすれば、もしライバルに有名人がいたとしても、自分が出る必要がある選挙だと判断した場合には、どんな条件でも受け入れて通るために淡々と準備します。

そのためにも忘れてはいけないのが、メデイアでは揚げ足を取りばかりが報道されていますが、既存の政治家は意外と頑張っているということです。

例えば、おときた都議は最近はメディア露出により注目が集まり、一部ではバッシングもありますが、非常に能力の高い方で、リスクを取って並の人物では到底不可能な数々の奇跡を起こしてきました。
いきなり議員になってから同じレベルで活躍できる政治家はそういないと思っています。

また、一部で知名度の高い方に対する批判も集まっていますが、単純に能力が高く信頼されてきたからこそ名前が浸透している可能性は見落とされがちです。

そこにあえて無名の新人が立候補するということは、前回の講義で塾長もおっしゃっていたように、東京大改革が盛り上がってるから選挙に出てみたいなどの漠然とした話ではなく、納得のいく説明が必要になります。

何でもかまいませんが、なぜ自分が現職議員以上のパフォーマンスが出せるのか明確にすることが求められます。
この辺が今の時点で決められないと、少し厳しいかもしれません。

かつて私の周りでも、政党から公認がもらえなかったことで、激怒している方もいらっしゃいました。

知識不足、即応力不足、資金不足、問題行動など、理由はわかりませんが、基本的にはその時点で求められていた人物像と乖離があったということでしかありません。

そして、バックグラウンドや日々の活動的にも絶対に当選して活躍できると誰もが確信できるような人物が選考で落とされたことも、見たことがありません。
きっと今回も適正に選考が行われ、妥当な結果になるでしょう。

仮に今回都議選が難しくても、繰り返しになりますが、たまたまマッチしなかっただけで、国政に挑戦することや、基礎自治体の選挙に立候補することも自由です。

また、今回挑戦されるような志の高い方は、きっと民間でも議会以上の活躍の場があると思います。

今回受験された勇気と行動力のある方々は、議員バッチこそなくても、社会を動かしている立派な政治家です。

受験生のみなさま、本当にお疲れ様でした。
また明日からも、一緒に社会を変えていきましょう。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社