こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
希望の塾では、都議選に向けて対策講座が開講されるそうです。
地域政党化することで、事実上の公認に直結する試験だと言えるでしょう。
対策講座の受講にあたり、事前に試験が行われていましたが、その結果が出たようなので、公開された情報をベースに改めて考えてみます。
すでにNewsPicks上で安東泰志氏がコメントを発表されたことで、小池都知事を中心とする選考メンバーや、選考方法についてはネットでも公開されていますね。
ご質問にお答えします。選考基準は、試験による一種の足切り(絶対ではないです)と、記述から見える資質を総合的に判断し、6人が全員、全部の結果に目を通し、その意見が一致する方を選定した上、更に面接を行なって人物の見識や意欲をはかります。相当時間がかかるプロセスで、タダ働きがつらいです。
今回の試験は出来レースだと批判をされていましたが、その点に関しても改めて確認したいと思います。
まず、試験では文章問題や、計算問題が出題されたようです。
議会活動では大量の文章や数字をインプットし、質問等でアウトプットするため、最低限の事務処理能力を判断するという意味では、そのような試験を行うことは妥当ではのかなと思います。
また、論文に関してある現職議員が、
「論文を完璧に答えられた!」
という趣旨の発言をされていましたが、
「やっぱり出来レースだったんだ!」
と叩かれてもいました。
難しい試験だったということが広まっていたので、事前に問題を知っていたと誤解されている方もいらっしゃったようです。
一方で、希望の塾の塾生のタイムラインを見ると、
「政治に関心があるかどうかを問う簡単な問題だった。」
とコメントもありました。
私もネットを通じて設問を見ましたが、「議員提案条例」「情報公開」「二元代表制」などについては、現職議員であれば、日々の仕事で触れているはずなのでそのまま記述すれば良いもので、回答できて当然です。
もちろん、議員でなくても、議員を目指し、その仕事内容をご存知の方であれば、簡単に回答できてしまうものでした。
しかし、ただ回答をするだけであれば簡単であっても、都政関係者のレベルを超えた鋭い文章を書くところまではハードルがあります。
そのため、多くの方が同じような答案になってしまい、絞り込みが難しくなってしまった、という可能性はあるのではないかと思います。
私も政策について専門知識を有していたわけではないため、該当するかもしれませんが、
「志はあります!当選してからしっかり勉強します!」
という方は、たくさんいらっしゃいます。
議員の仕事自体は当選してから学べるものですが、仕事自体は新人でもベテランでも関係なく、議員になったその瞬間から始まります。
今回の都議選は特に責任が重い仕事であり、最低限議員の仕事を理解されている方が選ばれたと言えるでしょう。
また、論文試験に答えられなかった方の中には、たまたま議員の仕事についてほとんど知らなかっただけで、特定の政策に関しては現職議員以上に鋭い考えがあった、という場合もあるかもしれません。
そのため、不合格になったから議員の適性がなかったと簡単に断言できるものではありませんし、たまたま今回求められている人物像に合致しなかっただけだと言えます。
都議選対策講座の倍率は約3倍でした。
これまで、都政について学びたい一般の方が受講する塾でしたが、ここから、政党主催の政治塾と同じような状況になります。
公認までの道のりは非常に険しいもので、この中からさらに倍率は10倍程度になることが想定されます。
今回の公認となったメンバーは小池都知事との人間関係があり、さらに身体検査を十分に行ったことで、早い段階から公認が出たのでしょう。
新人の方であれば、人物評価は厳しく行われることになるでしょう。
著名人や現職議員であれば、どんな人間か伝えるのかは簡単です。
一方で、私のように無名の状態からのスタートされる方もいらっしゃると思いますが、個性がなければ次の選考では確実に埋もれるでしょう。
だからと言って、公認で選挙に出るというのは、個人で選挙に立候補するわけではありませんので、とにかく目立てば何をしても良いということではありません。
人物評価で勝ち上がるためには、さらなる自分磨きが必要だと思いますが、ぜひ現職議員を上回る活動を心がけていただければと思います。
私も新宿区議会議員選挙に出た際には、
「新宿区議会議員選挙の倍率って1.3倍でしょ?立候補すれば誰でも通るじゃん!」
と言われてしまうこともありました。
あるいは、今回の都議選に関して、
「東京都議会議員ってなり手もいないし、立候補すれば誰でも受かるんでしょ?」
というお話をされている方も、周囲にいらっしゃいました。
今回の都議選対策講座の倍率が注目されていますが、このように、立候補する以前にも厳しい競争が繰り広げられていたのです。
そして、公認を獲得した後には、血の滲むような、本当に辛い活動期間が待っています。
今は便利な時代なので、実際に都議選の候補者になって何をすれば良いのか、ある程度はネットでも知ることができます。
例えば、音喜多都議は、都議になる以前からブログを書いていて、活動についても読めば目安はわかります。
私も無名の若者という状態で選挙に挑戦したので、音喜多都議のブログを読んで参考にさせていただきました。
音喜多都議は、この時期には勤めていた会社を退職し、その後は挫折を繰り返しながら、始発終電キャンペーンなど過酷な取り組みに挑戦されています。
他にもブログには書かれていませんが、血の滲むような努力をされていました。
こうした活動は大変かもしれませんが、真似すれば近いところまではいけるということでもあります。
私もまずは毎日ブログを更新するということを真似してみましたが、やってみると結構しんどいなと思う時もあります。
それでも毎日やっていると、情報をインプット、アウトプットする習慣がつき、いろんな意見が集まったり、人とのご縁をいただいたり、続けてきてよかったことはたくさんあります。
もちろん、個人の資質にもよると思いますし、その人によっては、もっと良い方法は必ずあるはずです。
それでも無名の新人が何をすれば良いかある程度可視化されているだけ、良い世の中になったなと思います。
都議選対策講座以降も激戦で、本当に大変だと思いますが、ぜひ前向きに頑張っていただきたいと思います。
それでは本日はこの辺で。