定員割れの特養から活用すべきでは。距離の近い自治体間の連携を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

ちょうど一週間前に南伊豆町へ行ってきました。
その際に調査を行なった杉並区の特養に関する事業について、プレジデントのオンライン版にも掲載されました。

怒りの告発!南伊豆に新形「姥捨山」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
※タイトルも私がつけたわけではありませんし、原稿も編集されたもので姥捨山と言ったのは別の方です。

今回の記事は、多くの方にお読みいただいているようです。

雑誌も発売中です。

PRESIDENT (プレジデント) 2017年5/29号(「孫子」入門) | |本 | 通販 | Amazon

過去のブログはこちらです↓

Yahoo!ニュースさんや、お世話になっているBLOGOSさんでも転載されていました。

業界トップの雑誌に掲載されたということで大きな反響をいただいておりますが、
「文句言う前に対案を出せ!」
と厳しいご意見をたくさんいただいております。
当然ながら、都市部では特養や保育園など土地の確保が難しいという背景も理解しております。

一方で、東京都内でも定員割れしている特養があることを見過ごしてはいけません。

特養待機者:急減 要介護者、奪い合い 施設空き出始め

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よそより一刻も早く――。特養の多い地域では要介護者の争奪戦が始まった。
 「“営業”しないと入所者数を維持できない」。東京都青梅市の特養「和楽ホーム」の宮沢良浩施設長は打ち明けた。ホームは都心から1時間の山あいにある。かつては都心から希望者が来たが今、待機者は最盛期の300人から100人弱に。このため5人の相談員が毎月、在宅介護の関連施設を回り入所を働きかけている

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東京都高齢者福祉施設協議会の調査では、回答の4割にあたる95の特養が「稼働率が下がった」と述べた。昨年4~10月の平均稼働率は94・9%で、都内で2200人分のベッドが空いていた計算になる。

2016/07/01 毎日新聞 朝刊

青梅でも空きがあることが報じられています。
片道4〜5時間もかかる自治体ではなく、都内や、せめて隣の県と連携することで問題を解決することにリソースを割くべきです。
車で杉並区から例の特養へ、そして天城越えが必要な70キロも離れた三次救急をまわってみると、いかに厳しいか理解できると思います。

廃校の跡地を利用した地域活性関連では、このような事例もあります。

舟形町 「陵風会」に534万支払いへ 特養ホーム構想 撤退で解決金
 舟形町が都市部の高齢者を受け入れる特別養護老人ホーム構想からの撤退を決めた問題で、町は2日の町議会全員協議会で、社会福祉法人「陵風会」(鹿児島市)に対し、解決金として陵風会が既に支出した設計費の半額に当たる約534万円を支払うことで和解する方針を明らかにした。
 町税務福祉課によると、陵風会が町に対し、解決金以外の支払いは求めず、建設予定地の土地約1万470平方メートルを返還することも和解内容に盛り込むという。
 町は、和解に関する議案と解決金を盛り込んだ補正予算案を、6日に開会する9月定例会に提出する。
 構想は、廃校の跡地を利用した地域活性化策として奥山知雄前町長が発案。陵風会と準備を進めてきたが、2月の町長選で奥山前町長は出馬せず、当選した森富広町長が「入所者や職員の確保が難しい」などとして構想の見直しを進め、6月に構想から撤退することを正式に表明した。

2016/09/03 東京読売新聞 朝刊

地方の特養へ入所するというライフスタイルを否定するわけではありませんし、南伊豆町に関しては以前もブログでお伝えさせていただいた通り、とても素敵なところだと思っています。
ただ、なぜ都知事選に落選した直後に顧問に就任した増田寛也氏が杉並区の顧問として、特別区(杉並区)が費用負担をする事業を推進するのか、理解できません。

現地を視察させていただいた際にも特養は着々と建設が進んでいる様子でしたが、4月30日の町長選ではこれまでの町政への不満から現職が敗れ、新たな町長が誕生したこともあり、今後の南伊豆町の動きにも注目です。

それでは本日はこの辺で。